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サッカーがあれば色んなことを学べる。それこそが最大の魅力

丸山龍也選手画像

 前回の記事「唯一の才能はサッカーを辞めないこと」では、サッカーの魅力に取り憑かれ、何度も辞めようと思いながらも辞めずに続けてきたことについて書かせて頂きました。
 ではそのサッカーの魅力とはなにか?というと様々な魅力があると思いますし、各々違って当然です。僕の場合はどんなところに魅力を感じているかというのを、自分のサッカー人生を振り返りながらお伝えしていければと思います。

勝つことの魅力を覚えた小学校時代

  僕の出身は「港北ニュータウン」と呼ばれる典型的なベッドタウンで、住んでいるのは閑静な住宅街。7歳の時にその地域で活動している横浜港北サッカークラブでサッカーを始めました。

 今ではサッカークラブも様々な形がありますが、小ざっぱりした格好のお兄さんコーチが「ボールにたくさん触れてみんなが楽しめる」「スポーツを通じて健全な青少年に教育を」「サッカーの素晴らしさを多くの子供たちに伝えよう」のような素晴らしいフィロソフィーを掲げ、和気あいあいと綺麗なグランドでニコニコとサッカーを教える・・・というようなクラブが本当に増えたと思います。
 怖い監督やコーチがタバコを吸いながらベンチに腰を下ろし、怒鳴り声や罵声を飛ばして時には選手が泣くまで叱りつける・・・というクラブはめっきり減ってしまいましたが、僕がなんとなくサッカーを始めたクラブはそういうクラブでした。
 ただ先に書いておきたいのは、そういうクラブじゃなければ恐らく、僕はサッカーを続けていないということです。こういう環境だったからこそ良かった。

 「勝っても負けても楽しく!」「勝ち負けよりも選手個人の育成に重点を!」というのが現代サッカーの育成の指針となっています。しかし、僕の小学校時代はそういった環境とは真逆。
 僕自身よく坊主にしていたことから「ハゲ!」と罵られつつ、下手だからドリブルするな!と怒られたり、50cmの高さのボールでもヘディングで触ることを要求されたり、マークする相手に振り切られた瞬間ベンチのメンバーと交替されお説教・・・というような環境。とにかく勝つために出来ることを求められていました。

 先日、当時の監督とお会いした時には「お前らがいた時のサッカーは今のドルトムントのサッカーと同じだ!」と仰っていたのですが、思い返すと監督から常々口酸っぱく言われていたのは「前線からのプレス」「攻守の切り替え」「ボールを奪ったらすぐトップ下の選手に預ける」「球際は絶対激しく」ということ。もちろん小学生が行うものなのでミニマムサイズではあるのですが、まさに今のドルトムントのショートカウンターを彷彿とさせるサッカーをしていたと思います(笑)

 ただ、この歳になるとコーチをすることや指導の勉強をさせてもらえる機会もあるのですが、いざ勉強してみると当時僕が教わっていたサッカーは、今のサッカー協会が推し進める育成ガイドラインとはズレてると思うことは確かにあります。
 個人個人のスキルアップ、コーディネーション、判断、さらにはボトムアップ理論など選手優先の考え方・・・様々なトレーニング方法を意識したコーチに教わる今のサッカー少年を羨ましく思うこともあります。

 とはいえ、僕は自分自身の小学校時代を後悔することはないです。同年代の上手い選手とサッカーをすると、自分が育成年代で身につけてこなかった様々なスキルの必要性を痛感することもあるのですが、それでもいいやと思えるのは自分も小さい頃に良い経験を積んできたと言えるから。

 怒られながらも勝ちにこだわって大会優勝した瞬間。大事なトーナメントで惜敗した時の悔しさ。大会後にアイスを買ってくれた時。合宿でいつもは怖い監督やコーチが、お酒でベロンベロンになりながらも自分たちのことを褒めてくれた時。ちょっと悪いイタズラや大人の話を教えてもらった時・・・。
 そういった様々な経験こそが今の自分を象ってるとも言えますし、そもそも「サッカーで相手に勝つ!」という勝負事の本質的な喜びは、ボールを蹴る楽しさとか仲間とのふれあいとか、そんなことを掲げてサッカービジネスをしているクラブにいては味わえなかった感覚だと思います。
 今も僕自身は勝つためにサッカーをやっていますし、勝つ喜びを知っているからこそもっと大きな試合で勝ってみたくなり、こうしてプロとしてサッカーをやるまでに至っているわけです。その「勝つ」気持ちも足跡をたどれば少年時代に学んだもの。これが僕が港北SCにいて良かったと思う所以です。

 またメンバーも身長や上手さはないけどガッツや闘争心は人一倍ある、言わば”とっぽい”選手が集まっていて、自分と価値観が近かった選手も多く「仲間」と言える関係でした。もちろん今でも当時のチームメイトとは仲が良いです。
 高学年になると所属クラブの週二回の活動と平行し、もうひとつ違うサッカースクールにも週二回通っていたのですが、そっちで出来た友達とは連絡も取らないですし、むしろほとんど名前も覚えていません。
 「勝つ」ということにフォーカスしてトレーニングし、一緒に監督やコーチに怒られて泣いたり喚いたりしながら頑張った。そういう経験が大切な宝物になっていると思います。

By | 2014-11-27T15:22:34+00:00 11月 27th, 2014|Categories: コラム, 丸山龍也コラム|1 Comment

About the Author:

丸山龍也
神奈川県横浜市都筑区出身のプロサッカー選手。ポジションはFW・MF・DF。スリランカ・チャンピオンズリーグ、ニューヤングスFC所属。個人ブログURL(http://ryuya.asia)。Twitterアカウント(@maru_ryuya)。

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