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『ガンバの至宝』日本代表FW宇佐美貴史が移籍するドイツの新興クラブ=アウクスブルグを考察

 『ガンバの至宝』日本代表FW宇佐美貴史の移籍濃厚なドイツの新興クラブ=アウクスブルグを考察

 本田圭佑が欠場し、香川真司も準決勝のブルガリア戦の前半で負傷交代したキリンカップ。日本代表は決勝でボスニア・ヘルツェゴビナに1-2と敗れ、準優勝に終わった。

 しかし、そのキリンカップ前後から海外移籍が盛んに報じられ始めたガンバ大阪所属の日本代表FW宇佐美貴史は、ブルガリア戦で1得点し、ボスニア戦でもMF清武弘嗣の先制点をアシストした。
 その清武がスペインのセヴィージャへの移籍が決定。奇しくも、宇佐美と同じくボスニア戦で<4-2-3-1>の2列目で代表初先発に抜擢されたサンフレッチェ広島FW浅野拓磨にもドイツのクラブからの獲得オファーが届いた。
 清武と宇佐美と浅野。飛車角落ちと言われていたキリンカップの日本代表だったが、2列目の3人は欧州の移籍市場でも名前が上がるタレントだ。
 そして、宇佐美と浅野、日本の近未来を託しえる2人のタレントを同時に獲得したい意向を持っているのが、ドイツのFCアウクスブルグだ。

韓国トリオが在籍する右肩上がりの成長を続ける新興クラブ

 1907年に創設されたドイツのバイエルン州のアウクスブルクを本拠地にするFCアウクスブルグ。
 2010-2011シーズンにブンデスリーガ2部で2位となり、クラブ史上初の1部昇格を勝ち取り、当時のチームには日本代表MF細貝萌も在籍していた。
 初の1部昇格以降は14位、15位とギリギリの残留で耐えた2年間を経て、2013-2014シーズンに8位、2014-2015シーズンには5位へと躍進し、今季はクラブ史上初のUEFAヨーロッパリーグにも参戦していた。
 また、現在はDF洪正好(ホン・ジョンホ)、MF具滋哲(ク・ジャチョル)、FW池東沅(チ・ドンウォン)の韓国人トリオも在籍。特にク・ジャチョルは2011年1月に21歳でドイツへ移籍して以来、計4クラブでブンデスリーガ130試合(22得点)に出場しているチームの柱だ。
 アジア人選手へのリスペクトがあるのも日本人選手には好都合だ。

若き名将バインツィール監督がシャルケに引き抜かれる

 ただし、来季へ向けては大きな懸念材料がある。マルクス・バインツィール監督が来季から同じドイツの強豪・シャルケ04に引き抜かれたのだ。
 現在のドイツで最も評価が高い41歳の青年監督であるバインツィール監督は2012年5月から就任し、初年度はカウンター1本に徹した無骨なスタイルで、2年目はウイングを使ったサイド攻撃で積極性を全面に出し、3年目にはプレッシングとポゼッションを取り入れて5位へ大躍進してEL出場権を獲得するまでにチームを成長させた。
 斬新なスタイルや哲学に定評があるのではなく、段階を追ってチームを発展させる事ができる稀有な指揮官なのだ。その過程ではウイングのアンドレ・ハーンをドイツ代表へ輩出するなど、組織も個人をも成長させる事ができる有能な指導者だ。 
 今季はクラブ史上初の欧州の舞台となったELでは見事にグループリーグを突破して決勝トーナメントに進出。ベスト32で敗退したものの、イングランドの強豪・リヴァプールに2試合合計で0-1と惜敗で終えた試合には、バインツィール体制下の集大成のような試合と言えた。
 ブンデスリーガではEL出場の影響で中盤戦までは降格圏内を彷徨いながらも、終盤戦には国内リーグ1本に絞って確実に残留を遂げた今季は、高く評価されてしかるべきシーズンだった。
 そんなバインツィール監督が抜けるのだから、クラブにとっては大きな痛手だ。