Foot ball Drunker〔155〕visiting『Stadion Z’dežele』ツェリエ/スロベニア

世界を一周した女流旅行家 生誕の地に降りる

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故植村直己:Naomi Uemura【1941年2月12日生-1984年2月13日没】氏が鬼籍に入り四十年の節目。冒険家に興味はなくとも旅行家にはなりたいと思っていた。その後旅行代理店に勤務してみるが何か違う。そもそも冒険家も旅行家も職業なのだろうか。

駅舎を背に旧市街メインストリートを撮影したこの写真。帽子を被り右手には旅行鞄の女性像。10か国語に堪能で世界一周旅行を実現した女性ジャーナリスト、そして旅行家のアルマ·カルリン:Alma Karlin【1889年10月12日生-1950年1月15日没】の故郷として知られるのがスロベニアのツェリエ。市内には彼女に関する博物館もある。


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中欧の覇権を掌握した往時の大国オーストリア=ハンガリー帝国内にシュタイアーマルク公国があった。帝国が崩壊すると公国南部はユーゴスラビア王国の領土となりドイツ語のシュタイアーマルクはスロベニア語で発音するシュタイエルスカになる。この地方を代表する都市はマリボル(第58話)と55kmほど離れたツェリェ。


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まずは日本のお嬢さんと鼻の下が伸びきったおやじのツ-ショット。建物壁面と彼女の服装からして都内近郊のキャバクラではない。ならば何処で撮影したのか、正解は二枚目のパリ·オペラ座前。かつて定宿にしていたバルベスロシュアール駅最寄りのドミトリーに珍しく若い女性の日本人客がお二人。スペインからフランスに入るなり窃盗犯罪の被害に。それでも「身体にカスリ傷もなかったから幸運だったね」と気遣いの言葉をかけた。


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ところが数日後犯人を発見、彼女達はホテルに待機させ犯人を尾行し頃合いを見計らい跳び蹴りから地面に押さえて警官に手錠をかけてもらったから勝利のVサイン。体格のいい西洋人や自分の息子世代に正面からの殴り合いを挑んでも、まず勝ち目はないので相手の背後から不意打ち。これならば実力差はまったく関係ない。パリの警官には無茶をするなとか勇気(度胸)がありすぎやろ····というような事を言われたのだと思う。とりあえず、ハラキリと真珠湾攻撃の国の民だからと答えたら呆れる人な大笑いする人。日本人でも昭和三十年代生まれの行動は今の若者には理解できないだろうし欧州での武勇伝は書けない話ばかり。各国の警察官の方にお説教をくらい、手をあわせ頭を下げさげた事も一度や二度ではない。いつか土下座を披露し許しをこう日も来るのか。


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第155話はツェリェのスタディオン·ズデジェレ。この都市にフットボールクラブが創立されたのはは1919年。SKツェリエは第二次大戦後にNKクラディバルと一時改名。ユーゴスラビアから独立した翌年の1992年、国内リーグが開幕しクラブ名=都市名に戻り現在に至る。
2023-24シーズンはスロベニア王者に輝いているが四年ぶり二度目の戴冠。昨日25日のUEFAチャンピオンズリーグ二次予選ラウンドの初戦はスロヴァキア王者スロバン·ブラチスラヴァと対戦。1-1のドローで終わり来週は敵地に乗り込む。

Y.S.C.C.横浜を率いた星川敬:Kei Hoshikawa【1976年5月29日生】監督の経歴が異色中の異色。2016年3月にNKツェリェのコーチに就任。監督代行で記念すべき日本人初の欧州一部リーグ指揮官誕生と日本のメディアにも報じられていた。