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空港では旅行客を狙った犯罪が多いと言われるスイス。これは本当で筆者が盗まれたのはタブレットPC。脳内にアルコールが回っていたのか疲れて寝てしまった自分の不注意が原因。振る舞い酒ならぬスポンサー企業の振る舞いコーラが配られお祭りムードを高めていたのを覚えている。当時は、欧州にいても仕事に追われ、試合観戦にまで頭が回らず心と時間にもゆとりがなかった。チューリッヒではフランス代表の二試合が組まれたがまさかのグループ最下位。
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第112話はレッツィグルンド:Letzigrundシュタディオン。旧スタジアムの老朽化により2006年から取り壊しにかかる。同国一の建設大手インプレニア·シュヴァイツAGが記録的な速さで新スタジアムを完成させたのは2007年8月30日。総工費はすべて市が負担した公立施設。2004年のコンペで採用されたのは1976年から共同プロジェクトをスタートした地元チューリッヒを拠点とする建築家デュオ、ベトリクス&コンソラシオ:Bétrix & Consolascioと、こちらも’89年に共同体での活動を始めたフライ&エーレンスペルガー:Frei & Ehrenspergerの建築事務所。試合がなくてもこのスタジアムだけは見ておきたい。上から見るとこんな形状。紙面は昨年のUEFA女子欧州選手権の開催会場を紹介している。バースデーケーキの愛称をつけられたのは蝋燭を思わせる三十一本の照明塔。同じく三十一対の柱が楕円形の屋根を支えており、低めに設定されているからスタンドの上に浮いているイメージ。外壁の錆具合がまた絶妙で、コールテン鋼(耐候性鋼)にLetzigrundの文字が浮き出る。それにしてもタブレットを盗まれようが、いくつになろうが、ビール缶を手放せないから困ったもの。
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竣工後市当局は1392箇所もの修正を指示した。インプレニア社は改修に伴う別途費用を請求。対して改修分は当初の契約に含まれていると支払いに応じない市当局。結果インプレニア社はこの問題を連邦裁判所に。’15年の判決を不服として控訴したものの裁判所がインプレニアに追加費用負担を命じたのは’18年。結局’21年4月同社が、法的手続きを中止したうえで市とは合意に達したと発表。協定の条件は明らかにされなかったが、お上と喧嘩しても勝ち目が薄いのは何処の国も似たり寄ったり。