エンブレムには公国の紋章にも用いられた純白のエルミン
ケルト系ブルトンの風習が色濃くフランスの中でも異郷と形容されるのがブルターニュ地方。十九世紀後半から二十世紀にかけては、異国の画家たちを引き寄せ、数々の名作が誕生している。この地域で多く見掛けるカルヴェールは、キリスト受難群像碑や十字架像を指すフランス語。日本人ならばチューリッヒであの世へと旅立った藤田嗣治:Tsuguharu Foujita【1886年11月27日生-1968年1月29日没】の描いた『十字架の見える風景』。フジタらしい乳白色の色調で描かれているのがカルヴェール。地域圏の首府はイル=エ=ヴィレーヌ県の県庁があるレンヌ。地元スタッド·レンヌのエンブレムで向き合う二匹が狐にしてはしっぽが妙に細い。確かにお稲荷さまの眷属に似ていなくもないが、実はこの動物こそオコジョの冬毛が真っ白に変わる姿=エルミン。清廉潔白を象徴としてブルターニュ公国の紋章にも用いられている。カバー写真のブルターニュ産ビールのラベルのキャラクタ-は広く愛されている。
◇◇◇◇◇

◆◆◆◆◆
マルセイユやリヨンよりもこの都市を立ち寄った日本人観光客は多いのではないだろうか。筆者もモン=サン=ミシェル観光をリクエストされてレンヌまでは同行し、そこからは地元業者の団体ツア-にお任せした。ブルタ-二ュで試合を取材した経験はなくてもデュルビ·ブレトンは観戦している。
◇◇◇◇◇
サンドニでの新デュルビ·ブレトン
◇◇◇◇◇
2014年5月3日のスタッド·ド·フランス。番狂わせこそカップ戦の醍醐味とはいえ、まさかサン=ドニでのファイナルでブルターニュ勢が対戦するとは。実はこの顔合わせ、五年前にも実現しており遺恨が再燃。赤と黒の同じチームカラーで仏聖地のスタンドが埋め尽くされる。八万人もの大観衆の大半はブルターニュ半島から貸し切りバスでやって来たファン·サポーターであることは間違いないない。この当時場内はアルコールNGのためスタジアム周辺は宴会状態。最初の写真は、今宵スタッドレンヌと雌雄を決するEAギャンガンのサポ-タ-。1984-85シーズンのレンヌとの試合では、仮設スタンドが崩壊して三十人の負傷者を出してしまったことからスタッド·ムニシパル·ドゥ·ルドゥルは大幅なスタジアム増築に着手した歴史も。試合前からお祭りムードで盛り上がりいざ決戦のキックオフ。
◇◇◇◇◇

◆◆◆◆◆
1998年フランス財界の超大物フランソワ·ピノー:François Pinault【1936年8月21日生】がレンヌのオーナーに。周りの会話に耳を傾けると言葉の断片からどうやらフランソワ·ピノーも貴賓席に来ているらしい。「そりゃあすごい。拝んでみたい」と思ったが結局判らず仕舞い。真っ赤なスーツ姿の一際目を惹く女性だけは確認ができたのだが。実は先代のフランソワではなくジュニアのフランソワ·アンリ·ピノー:François-Henri Pinault【1962年5月28日生】氏が夫人同伴で御来場していたと翌日の新聞記事で知る。アンリ·ピノーに寄り添う夫人こそ、メキシコ出身のハリウッド女優サルマ·ハエック:Salma Hayek 【1966年9月2日生】。抜群のプロポーションと派手なアクションで一世を風靡、世の男性達を虜にした。
◇◇◇◇◇
ダイヤモンド·イン·パラダイスの感想 サルマの演技は····
◇◇◇◇◇
映画人としての顔に加えユニセフ親善大使としての活動が認められ2012年には、レジオンドヌール勲章の“シュヴァリエ”を受勲しているサルマ。実はこの方の作品を見た記憶がない。「何にでてたっけ?」と思ったところ帰国時の機内で偶然『ダイヤモンド·イン·パラダイス』(2004年)を鑑賞。フロリダとキューバの間にあるバハマを舞台にピアース·ブロスナン:Pierce Brosnan 【1953年5月16日生】演じる大泥棒がダイヤを盗むアクションコメディ。ちなみに’13年には、ダイヤの指輪で知られる[ブシュロン]もケリングが保有している。サルマにとって二度目の結婚は、この作品制作から五年後。まさか映画のようなシンデレラストーリーが自身の人生に待っていたとは。それにしても、ローラを演じるサルマが、既に30代後半とは思えない見事なプロポーションで ·····エロい。
◇◇◇◇◇