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キリンチャレンジカップ・日本代表VSジャマイカ代表~主軸固まる初勝利

 とはいえ、アンカーから本職のCBへコンバートされた森重の安定したプレーにはリーダー然とした統率力も感じられ、細貝のパス能力を補う塩谷のビルドアップ能力と攻撃参加、香川のバランサー役にもなれそうな一面を見せるなど収穫は多かったとも言える試合。

 ブラジルなど強豪は日本相手に対策を取る事がない事を考えれば、親善試合では格下相手には内容を問い、強豪相手に結果を問うという今までとは逆の発想をする事でチームを発展する事ができるため、主軸が固まって来た中でブラジルを迎える次戦が楽しみになって来ました。

選手交代の遅さはアジアカップに向けたチーム作り~ブラジル戦は勝負に徹する事とオプション作りか?

 先月の2試合に引き続き、アギーレ監督は選手交代枠を余らせて試合を終えました。おそらく、これは来年1月に行われるアジアカップへ向けたチーム作りの一貫でしょう。監督の指示で前半を「ポゼッション優先」で相手を疲れさせる事を継続。後半に一気に仕掛けた事を考えれば、最初の交代が59分になった事はその証明だと言えます。

 その結果として柴崎は完全に主力となり、森重・本田・細貝・長友・岡崎に加えて負傷欠場の吉田・香川も含めてチームの主軸は固まりつつあります。選手交代の遅さや、せっかく呼んだ長身FWハーフナー・マイクの起用が無かった事などが批判を呼ぶでしょうが、アギーレ監督はこの試合を主軸を固定して内容に拘る事を選択したと思います。ですから、ブラジル戦は勝負に徹する事で、そのハーフナーや、精度抜群の左足クロスという稀少価値を持つ太田、攻撃センスに富んだMF森岡亮太などのオプション起用があるのではないか?と僕は想像しております。
 おそらくアギーレの頭の中では、格下相手にオプション作りをしたところで、それが本番で使えない事と、現状そんな余裕はない事を悟っているので、強豪相手の本番で試す事がオプション起用のテストだと見極めているのではないかと思います。先月も格上のウルグアイ戦で皆川と坂井を先発に抜擢した事や、ブラジル相手に上回る要素としてのハーフナーの高さというのは見た目で分かりやすさ事もあるので、ブラジル戦の監督采配を楽しみに待ちたいと思います。

では、最後に個人採点をお楽しみ下さい☆

【選手採点・寸評】

先発出場
選手 採点 一言
GK西川周作 5.5 あまりピンチもなかったが、少ない相手のシュート機会にも動じずに安定した備えで完封。フィールド選手が1人多くなる点でもDFを助けている。個人でのリーグ3連覇がかかるGKは本物!
DF酒井高徳 6.5 故郷への凱旋とあって積極的に攻撃を仕掛け、フィニッシュにまで絡んだ。精度はやや低いプレーもあったが。
DF塩谷司 6.0 ピンチもなく無難にプレーしたが、DFラインからの球出しや中盤のサポートはスムーズで、柴崎の攻め上がりにも繋がっていた。
DF森重真人 6.5 難なく1対1で相手を止めてピンチを未然に防いでいた。なぜ彼がW杯で主軸になれなかったのか理解できない。
DF長友佑都(88分まで出場) 6.0 前への持ち出しは迫力を感じたが、相手へのラストパスは痛すぎる。W杯前からずっと異変を感じる。
MF細貝萌 6.5 やはりアギーレの志向するサッカーの軸となる存在。華麗なパスワークはないが、相手陣内に押し込めた事は攻守で競り勝った彼の特徴が出ていた。
MF柴崎岳 6.5 先制点を呼び込んだ味方を追い越す動きが目だった。スルーパスも多数供給したが、テンポを変えるなどの90分トータルで考えると十分なゲームメイクとは言えないかも。
MF香川真司(90分まで出場) 6.0 アタッカーとしての美技もあったが、柴崎が前線で絡んだため、彼が中盤のかじ取り役やバランサーとなった。今までにない強烈なミドルシュートも放つなど新たな一面を見せただけに代表離脱は惜しい。
FW本田圭佑 6.0 圧倒的なキープ力でタメを作り、チームを牽引していたがゴールだけが奪えず。後半は自身のゴールに執着しすぎたか。
FW岡崎慎司(59分まで出場) 6.0 オーバーヘッドシュートが2回とキレの良さで気を張り、動き出しの鋭さ健在。彼の交代後に流れが悪くなったのは存在感の大きさを感じる。
FW武藤嘉紀(74分まで出場) 6.0 運動量豊富に攻撃に絡み、積極的にドリブル突破やシュートを仕掛けたが枠に嫌われた。決めるべきところは2度はあったが、爽快なプレーを続けた。