Warning: count(): Parameter must be an array or an object that implements Countable in /home/orfool/soccerlture.com/public_html/wp/wp-includes/post-template.php on line 293

Warning: count(): Parameter must be an array or an object that implements Countable in /home/orfool/soccerlture.com/public_html/wp/wp-includes/post-template.php on line 294
no-image

クラブW杯3位決定戦、広島VS広州恒大 〜世界に通じた広島サッカー

 先制してからも追加点を狙う意識も高かった広州恒大の攻撃に対して、サンフレッチェは試合を落ち着かせる事にも苦心。何とか追加点を許さずに耐えるのみ、という苦しい試合展開が続いた。

 しかし、さすがにハイペースの試合運びが続いた広州恒大の選手の足が止まり始めると、サンフレッチェの選手も落ち着きを取り戻し、相手が普段よりも攻撃的な布陣で来ているぶん、その穴を活かして反撃に出る。特に相手の左サイドに守備対応が甘いリカルド・グラウが入ったため、対面するミキッチのドリブル突破やクロスでチャンスメイクする事で攻撃に幅とリズムを作っていく。

 すると次第にボールも支配し始めたサンフレッチェはサイド攻撃からエースFW佐藤へラストパスを集めて決定機を量産していく。右サイドからはミキッチが、左サイドからは清水が佐藤へ入れたクロスボールに対して、佐藤のダイビングヘッドがゴールマウスを捉える。しかし、相手GKの好守が続いて同点弾は生まれず。

 前半終了間際には相手陣内でボールを奪い、MF青山敏弘が意表を突くタイミングでエリア内に駆け上がって来たMF丸谷へ絶妙のラストパスを通す。丸谷も飛び出した相手GKを上手く交わす浮かしたシュートを選択したものの、懸命に戻った相手DFがゴールライン上でスーパーブロック。前半追加タイムには浅野の抜け出しからも決定機があった。

 しかし、決定機を量産した前半のサンフレッチェは決めきれず、0-1の1点ビハインドで前半を折り返す。

今季最高のゲーム内容で逆転 ”世界3位”を掴み取った広島サッカー

 迎えた後半。ハーフタイムに動いたのはリードしている広州恒大だった。FWエウケソンに替えてACLでも大活躍し、クラブW杯準々決勝のクラブ・アメリカ戦でも貴重な同点弾を挙げたMFジョン・ロンを投入。攻撃過多な編成になって、前半の中頃からはサンフレッチェに崩されていたバランスを修正して来た。その甲斐あって、後半の立ち上がりは打ち合いになっていたこの試合で最も落ち着いた展開が続いた。

 ただ、広島の森保監督も動いた。58分、動きの落ちたエースFW佐藤に替えて、温存していたFWドウグラスを投入。シャドーで先発していたFW浅野を最前線に据えた。続けて67分には右サイドのミキッチに替えて、CS以降に決定的な仕事を続けているMF柏好文を投入。ボールは持てるようになって来ていたものの、フィニッシュに繋がらない停滞感を打破するための積極的な早い時間帯での決断だった。

 するといきなりその効果がスコアを動かす。71分、左CKを獲得すると、MF茶島がニアに蹴ったキックに対して、前で競った水本やその裏の浅野や相手DFの間を抜け、ゴール前でバウンドしたボールに途中出場のFWドウグラスが押し込んでサンフレッチェが同点に追いつく。

 同点にされた広州恒大は前線で最もボールを収められるFWリカルド・グラウをベンチに下げて守備的MFを投入する消極策に出る。準決勝から中2日で、サンフレッチェよりも休養日が1日少ない事でチーム全体の足が止まっていたのは確かだが、守りに入った相手に対してサンフレッチェは勇敢に攻めた。

 そして遂に84分、投入されてから果敢にドリブルでの局面打開を仕掛け続けていた柏が右サイドを突破。ニアサイドへ入れた早いクロスを浅野がヘッドで合わせたシュートはクロスバーを直撃するも、その跳ね返ったボールを再びドウグラスが押し込んで2-1と逆転のゴールを決める。

 その後、僅かな残り時間に守備の強さを注入したい森保監督は対人能力の高いDF佐々木翔を左サイドに投入。1対1の対応でも競り勝てる選手が揃ったピッチでは、リバープレートのような残り時間を消化する巧みなキープ力も使って試合巧者ぶりまで発揮。

 サンフレッチェが今季のベストマッチと言える内容を最高の舞台で披露し、堂々と世界3位の座を掴み取った。