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スルガ銀行CS、ガンバ大阪VSリバープレート 〜南米王者が3冠王者を全く相手にもせず完勝

 また、J2降格からJ1昇格初年度の国内3冠とはいえ、それをコパ・スダメリカーナ、コパ・リベルタドーレスという南米2国際クラブタイトルを連続優勝してしまう南米最強王者と比べてしまってはリーヴェルや他の南米クラブに失礼。
 しかもリーヴェルは今年1月、昨年度のコパ・リベルタドーレス覇者と戦う真の南米一を決める大会=レコパでも同じアルゼンチンのサンロレンソを破っています。
 さらに今年の3月にはUEFAヨーロッパリーグ王者と対戦する大会=スーペルコパ・エウロアメリカーナでもスペインのセビージャを下して優勝。先週のコパ・リベルタドーレスと合わせてリーヴェルは参加した国際大会を完全制覇。この日のスルガ銀行杯でもガンバ大阪を倒せば、僅か1年間で国際タイトル5冠目となる強さを証明しているだけでなく、“世界で最も忙しいクラブ”でもあります。

ボールを奪う事も、キープする事も出来ないまま前半で”終戦”

 そんな国内2部リーグ降格からV字回復を見せたクラブ同士の対戦は、やはり比べ者にならない差がありました。日本の3冠王者はボールすら奪えず、奪ったとしてもキープすら出来ずに南米最強王者に即座に奪い返される始末。

 その上で、リーヴェルの攻撃の起点になったのは欧州帰りで夏に古巣に復帰しながらも、主力には定着出来ずにいる元アルゼンチン代表FWハビエル・サヴィオラ。33歳のベテランとなった経験値や、もともとはトップ下出身のプレースタイルを見せる。中盤に下がっては緩急自在にパスを散らし、ゴール前ではトリッキーなプレーを披露してアクセントになっていました。
 また、右サイドMFに入ったカルロス・サンチェスのフィジカルを伴った突破からチャンスメイク。彼等2人が“違い”を作っていました。

 さらにリーヴェルはボールを奪われたら即座に奪い返す意識が高く、ガンバ大阪は全くボールすら持てない試合展開で自陣に押し込まれました。そのガンバ大阪を始めとして、Jリーグのチームはボールを奪われたら、まず自陣に引いて守備ブロックを構築してからボールを奪いに行くような“2度手間”をするチームが数多くあります。
 つまり、この日のリーヴェルのサッカーが未体験だったのでしょう。浮足立つその姿には3冠王者の風格は見えませんでした。

 すると相手陣内に押し込み続けるリーヴェルは8分。ミドルシュートの連発にシュートブロックするだけの状態となったガンバ大阪のブロックがこぼれたボールを左サイドMFのベルトロが拾って仕掛け、この日は本職ではない右SBを任されていた18歳のMF井手口陽介がぺナルティエリア内でファウルを取られてPK献上。サンチェスが力強くど真ん中に蹴り込んでリーヴェルがあっさりと先制に成功。

 その後もリーヴェルはチーム全体で押し込みながら、サヴィオラとサンチェスの個人技も織り交ぜて多彩な攻撃を仕掛け続け、31分には左CKからファーサイドへのキックに、右SBガブリエル・メルカドが合わせたヘディングシュートが決まって追加点。山なりのボールに日本代表経験が豊富なはずのMF今野泰幸は競り合う事すら出来ずに失点。

 2点をリードしたリーヴェルはさすがに集中力を緩み始めるも、ガンバ大阪は35分に左サイドからの遠藤のクイックFKからファーサイドのパトリックがフリーで合わせたシュートを決めきれず。それ以外はまともに攻撃の機会もないほど。逆にリードしても闘争心旺盛のサンチェスにドリブル突破からのシュートや、ボレーシュートをクロスバーに当てられるなど、さらなる追加点の可能性の方が高かったほどの散々な出来。前半はリーヴェルの2点リードで折り返しました。

敗因は決定力不足?それで片付けられるほどではない絶望的な実力差

 ガンバ大阪は前半41分に東アジア杯帰りの日本代表MF倉田を投入しており、数的不利でもキープできる彼がボールを持つと可能性を感じさせるプレーが出て来たのですが、リーヴェルはすでに「試合をクローズ」させようと後半を戦っていました。52分という早い時間帯に3人の選手交代をしたのはその象徴。

 そして61分、ガンバ大阪のCKを跳ね返すとカウンター発動。左サイドから徐々に逆サイドへと攻め上がって来る選手を使って展開していくと、後半から投入されていた東アジア杯帰りの左SB藤春の裏を取った左利きのMFゴンサロ・マルティネスがぺナルティエリア右端から左足で巻いたループ気味のシュートを逆側のサイドネットへ沈めて0-3。

 その後、ガンバ大阪は途中出場のベテランMF二川孝広を起点に多くのチャンスを演出するも決定力を欠いて無得点に終わり、そのまま0-3の完敗。

 試合後のガンバ大阪・長谷川健太監督は、
「ガンバらしいサッカーができ、チャンスも作ることができて、あと一歩、特に後半、相手も地球の裏側から来て、この暑さで足が止まってという中で一点返せれば、本当にたたみかけるくらいの感じには試合を運ぶことができたと思うのですが。前半のパトリックの決定機もあり、そういう、いつもこういう日本のサッカーのコメントになってしまうのが非常に残念ですが、決定力の違いというところが今日の試合も最終的に結果にそのまま直結してしまった」
と振り返っていましたが、本当にそうでしょうか?

 リーヴェルは後半はもう週末の国内リーグへ向けて試合を終わらせる事しか考えておらず、それでも追加点まで奪われた。それを「決定力の差」で解決してしまえるほどの差ではないでしょう。この監督のコメントは日本サッカー界の悪い部分が詰まっている気がします。3点リードしてから決定機を作っても・・・。

 相手はガンバ大阪の事を全くスカウティングもしてないはずで、時差ボケと暑さで疲労困憊でも確かな実力差が存在しており、真剣勝負の相手にすらしてもらえなかった。コレが真実です。