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新監督が誰になるのか、誰を招集するのか。選手選考から白紙に戻った現在、筆者イチオシなのが一枚の写真に収まっているこの二人。ミハル・サディーレク:Michal Sadilek【1999年5月31日生】とヴァーツラフ・チェルニー:Vaclav Cerny【1997年10月17日生】の元FCトゥウェンテ·エンスヘデのデュオ。
チェルニーは16歳からアヤックスで研鑽を磨き21歳でユトレヒトに移籍するまで、アムステルダムに。“チェコのロッベン”の異名はスキンヘッドの見た目だけではない。右サイドでの疾走がトップギアに入ると止めるのは困難。ヴォルフスブルクが獲得した今季は本家同様ブンデスで輝けるか。
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同じく16歳でオランダに渡ったサディーレクの行き先はアイントホーフェン。’22年にPSVから完全移籍。トゥウェンテにレンタルされ同じウェアに袖を通した’21年からは、配給役を担うセントラルミッドフィルダー。
シルハヴィの5年間を振り返ると、ユーロ2020でオランダを破りベスト8進出。ユーロ2024はプレーオフに回ることなく予選突破だから個人的には100点満点中70点の評価。マイナス30点はUEFAネーションズリーグでの頑張りでプレーオフ進出しながらスウェーデンに敗戦で扉が閉ざされたFIFAワールド杯カタール大会。
そのスウェーデンを下したのはロシア戦不戦勝の幸運を手にしたポーランドだった。
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ちなみにこの予選、仮にフランス、ベルギー、イタリア、スペインのAランカー四ヵ国のいずれかが予選グループで三位となる大波乱が起きた時点でチェコは消えていた。
A強豪国の救済にNL枠が使われることなくグループF四位のオーストリアとチェコがプレーオフ出場の権利を獲得。最も悔しい思いをしたのがハンガリー代表。NL/Bグループ3では、ロシア、セルビア、トルコの強豪国を抑えてA昇格が決定していても脱落。NLも手は抜けない。
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近年各国の実力差が縮まり、もはやカツオの削り節一重である。最後の写真は、スロバキア戦のマッチデープログラムのヤロスラフ·シルハヴィに一献傾け労をねぎらってみた。[第79話了]
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■写真/テキスト:横澤悦孝 ■モデル:Nicole Cerentin