去る者は日々に疎し 新たなる日本人ヒーローの予感
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昨年九月三日の早朝、羽田空港第二タ-ミナルに見慣れた顔。昨夏より全日空はルフトハンザとの共同運行便をデイリ-で運行している。日本代表 堂安律:Ritsu Doan【1998年6月16日生】はミュンヘンから約十三時間弱を機内で過ごしての帰国。埼玉スタジアム2002での中国戦を翌々日に控えていた。アリアンツアレ-ナでのバイエル戦が一日のナイトゲ-ム=日本時間の二日深夜キックオフ。試合終了からフライブルクには戻らずそのままミュンヘンに宿泊してフランツ·ヨーゼフ·シュトラウス空港から二日午前発の便に搭乗したのだろう。共にドイツ南部の都市であってもフライブルク·イム·ブライスガウからミュンヘンまでとなると車で四時間以上かかる距離。その堂安、フランクフルト移籍が秒読み段階。サムライブル-の背番号十、若きエ-スも既に二十七歳。キャリアのピ-クで迎える来年のFIFAワ-ルドカップに向けて重要なシ-ズンだけに、昨季を三位でフィニッシュして欧州最高峰の舞台も用意されているクラブが新天地ならば申し分ない。PSV在籍時のベンフィカ戦はベンチを温めただけ。UEFAチャンピオンズリ-グで輝く雄姿を見れる日が待ち遠しい。去る者は日々に疎しくとも来る者は日々に親し。
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先日顔を会わせたフライブルクの大学生は、堂安よりもブレンビーIFから加わった鈴木唯人:Yuito Suzuki【2001年10月25日】に興味がある様子。フライブルク史上四人目の日本人選手となるのだが順番では矢野貴章:Kisho Yano【1984年4月5日生】、木下康介:Kosuke Kinoshita【1994年10月3日生】、そして堂安に続いて鈴木となる。
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ドイツで一番陽のあたる街のスタディオン
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北欧デンマ-クで秋冬制のスーペルリーガを戦ってきた鈴木からすればドイツ最南端の温暖な気候は天国。木下も北欧スウェ-デンやノルウェ-のクラブでプレ-していたが、下写真は木下が在籍したハルムスタッドから車で五十分ほど北上したヴァ-ルベリの街並。何でこの変哲もない風景にシャッタ-をきったかといえば、爽やかな青い空。ナイトゲ-ムが終了して時計の針は九時半を回っているのにこの明るさが北欧の魅力。六月下旬は厚い雲に覆われた日の多いドイツの中でも、好天に恵まれ日照時間が最大といわれるのがフライブルク。夏至の昼間時間は十六時間。北欧には及ばないものの日の入りが九時半だと日本人には、かなり遅いと感じる。
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第47話は2021年にオープンしたヨーロッパ·パーク·シュタディオン。ドイツ語ならばオイローパと発音する。別名はモースヴァルト·シュタディオン。人口二十三万に対して収容人員三万五千人規模のスタジアムならば見合ってはいる。トラムの駅から殺風景な開発地区を十分以上歩くと以前アウグスブルクを訪問した記憶が重なる。堂安の新天地フランクフルトに象徴されるように、かつてのドイツの蹴球場は森=ヴァルトの中に構えていた。仮にアクセスが悪くても森林浴効果で気分良くスタジアムまで辿り着けるのがドイツならでは。そういった意味では町田GIONスタジアムは極めてドイツ風だからいつか足を運んでみたい。フライブルクやアウグスブルクは、日本だと埼玉スタジアム2002をイメ-ジしていただくとよいだろうか。
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