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女子サッカーの監督は「指揮官」ではなく、「指導者」であるべき!?

・話をよく聞く(聴く)
・相手を分かろうとする
・一致点を探す
・笑顔
・相手に興味を示す
・相手に任せる
・自発的、自主的
・いい悪いを言わない

と、定義されている。

 そして、バニーズ京都が体現するサッカーにもその影響が上手く表現されている。チームのスローガンに、「目前のゲーム結果に一喜一憂することなく、勝っても負けても『次』のゲームへ向けて万全の準備をすることで、これまで積み上げてきたバニーズらしいスタイルで今シーズンをぶれずに戦い抜きたい」とするチームは、誰かのために笑顔で走れる選手が揃っている。

 「子供たちから出て来る言葉に、こちらが勉強させられているのですよ」

 そう話す教育現場の先生が多いが、サッカーの指導者にもコレが当てはまるだろうし、バニーズ京都というチームを筆者が取材していて最も感じたのが、こういう部分だった。

女子サッカーは、<4-4-2>のチームばかり?


 女子サッカーの指導者だけでなく、ファン・サポーターや愛好家の中で「<4-4-2>のチーム」という、ややもすれば揶揄する言葉がある。

 言葉の通り、<4-4-2>のシステムを採用しているのだが、同じシステムでもベレーザやINAC神戸を指しているわけではない。同じようなゾーン守備でブロックを組み、ロングボールを蹴ったセカンドボール次第で展開を進める“分かり易いチーム”という意味合いである。

 ただ、これは批判しているわけではなく、ここに女子サッカーの現実が集約されている気がする。

 <4-4-2>で守備ブロックを組むのは、1つのラインに4人の選手がいないと相手が攻撃してくるスペースを埋められない物理的原則だ。「世界最高の指揮官」との呼び声が高く、攻撃サッカーの標榜者であるジョゼップ・グアルディオラが指揮するチームも自陣に引く際には<4-4-2>の陣形を組んでいるように、それは古今東西男女問わず、サッカーの常識の1つだ。そして、サッカーのチーム作りに置いて守備から構築していく考え方は至極当然である。

 ただし、ボールを奪ってからも同じラインに4人がフラットに並ぶ<4-4-2>の陣形のままだと、パスコースが作りにくい。チームが守備的に振る舞う場合はボールより後ろに8人が残ってしまうため、前線に残っている2トップにロングボールを蹴り込む展開が多くなってしまうのも当然である。

 そして、そんな圧倒的な数的不利でも1人でマイボールにして攻撃を構築していける万能なアタッカーが台頭してくるという例もあるのは確かである。

“自由”を美化してはいけない!

 <4-4-2>に置けるゾーン守備の徹底には、ポジショニングやカヴァーリング、ラインコントロールのような組織的な守備戦術のトレーニングに時間を費やす。毎日仕事をしながらトレーニングに励む選手で構成される女子サッカーの現場では、ここで時間的制限が起こっているのだろう。

 試合中、ボールを持つと何をすれば良いのか分からずに迷っているような様子を見せる選手もいるのは、日本サッカー界の悪しき定型句である、「守備は約束事があるけど、攻撃は自由にやって良い」という放任を美化しただけの監督が放つ言葉によるものにも感じられる。