今季からプレミアリーグでバニシングスプレーを導入することが決定した。
バニシングスプレーとは、FKなどのセットプレーの際に、ゴールを守る守備側選手の「壁」の足元に白線を引き、ボールから離れなくてはならない規定距離(9.15m)を守らせるためのスプレーだ。
かねてから2000年以降の南米のサッカーリーグでは使われており、2014FIFAワールドカップ、ブラジル大会で多くの人が目にし、注目を集めていた。この白線は1分ほどで消え、その後の芝の状況などには影響を与えないようである。
確かにこのスプレーの導入により、選手の壁の前進などの違反行為は一目瞭然となり、多くの人の賛同を得ている。現に、プレミアだけでなく、リーガ、セリエAなどでもこれに追随する動きを見せている。
確かにこのスプレーの登場により、壁の前進が視覚的にも一目瞭然となり、不必要なカードを出されること、審判の注意などによって時間が消費されることが防げるかもしれない。
だが、私はあまりこのスプレーの使用に100パーセントの賛同はできない。何でもわかりやすければいい、違反行為のない完全にクリーンな試合こそが一番であるとは言えないと思うのである。それに、審判の隙を狙って壁の選手がにじり寄る様、それを指さし審判に訴えかけるキッカー。そんな勝ち負けを分けるかもしれない1プレイにかける両者の熱いシーンが展開されることを含め、フットボールなのではないだろうか。
とはいえ、大変便利であり、画期的なアイテムである。ちなみにこのスプレー、1缶3ポンド(日本円で約520円)だという。今季のセットプレーにぜひ注目してもらいたい。