宇佐美貴史はなぜ日本代表に呼ばれないのか?
表題は11月中旬発売号の某大手サッカー専門誌の特集見出しですが、ガンバ大阪FW宇佐美貴史の中学生時代から応援して来た者として、宇佐美貴史が日本代表に呼ばれない理由、または課題を挙げたいと思います。
現在の宇佐美がドリブル・パス・シュートによる圧倒的な個人技での打開力とワールドクラスのプレーを披露している事も承知した上で、僕が考える”宇佐美が日本代表に呼ばれない理由”は大きく分けて3つあります。
「宇佐美が代表に呼ばれない理由」
①代表運の無さ
②現在のパフォーマンス(世論を味方につけるほどの結果、日本サッカー界または日本社会の土壌)
③フィジカル能力の劣化
以上の3点に絞りつつ、ドイツでの2年間でのトピックや、欠点だと指摘されている守備面なども含めてポイントごとに述べていきたいと思います。
前回は①の、
「代表運の無さ」(前回のコラムURL https://soccerlture.com/takashi_usami_pick_up1/)について述べてきたので、今回は②の現在のパフォーマンスについて述べたいと思います。
②現在のパフォーマンス
今季の宇佐美は9月頃までは順調だったと思います。所属するガンバ大阪は今季からJ1昇格を果たした昇格組ながら、11月初頭にはナビスコカップ優勝を果たし、リーグ戦でもW杯中断明け後は全20試合で15勝3分2敗という圧倒的な成績で、シーズンの大半を首位で快走していた浦和レッズを追い抜いての大逆転優勝で2冠目。天皇杯でも今週末の決勝・モンテディオ山形戦に勝利すれば、”奇跡のJ1昇格1年目の3冠”です。それを可能にさせたのは間違いなく宇佐美自身のパフォーマンスだったと言えます。
しかし、月間最優秀選手に選出された9月最後の第26節のサガン鳥栖戦を最後に躍動する姿は激減したように思います。また、リーグ戦でのゴールも第25節以来7試合なかったのも気懸りな部分です。
もちろん、そこには3大会を並行して戦っているがゆえの疲労、タイトルが掛かる重圧もあるでしょうし、日々厳しくなっていく相手からの徹底マークも影響しているとは思います。
また、ガンバのチーム自体が柔軟性があってカウンターでもポゼッションでも、という形はあるものの、相手が最も警戒しているのはカウンター。そして、今季のガンバとしても宇佐美の特徴としても最も力を発揮できるのが、長谷川監督がいう”ファストブレイク”なるハーフ・ショートカウンターだと、相手にも完全に対策され始めたのも10月に入った辺りではないか、と思います。
加えて、順調過ぎた9月までのパフォーマンスで10月の日本代表メンバーに選出されなかった事へのショックも宇佐美本人にはあったのではないか?とも思います。
ですが、そうした相手チームからガンバのチーム自体が対策をとられ始めたり、タイトルが懸かる重圧感の試合の中での宇佐美とガンバのチームとしてのプレーにも問題があると思います。
シュートの少なさと最強FWパトリックに頼り過ぎている現状の宇佐美
下記にプロ契約後のJリーグでの宇佐美のシュート数などをまとめました。
※1はJ2リーグでの成績