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宇佐美よりも武藤の方が有能か!?~宇佐美の可能性~

FC東京に所属する武藤嘉紀のチェルシー移籍報道に端を発する海外挑戦説に関心が集まる中、1人の男のコメントに目が止まった。武藤と同じ22歳でG大阪の主力として活躍するFW宇佐美貴史だ。
「他のチームの選手の話ですから、それに関しては言う事は無いです」

武藤について聞かれた宇佐美のコメントには、19歳という若さでドイツの名門・バイエルンに移籍した男の実体験が滲み出ているように思えた。ビッグクラブは甘くない――。そう言いたげな宇佐美には、海外で活躍する素養は無いのだろうか。
日本全国の目が武藤に集まるこの段階で、難波の天才児・宇佐美にスポットを当てる。

☆宇佐美に立ちはだかった守備の壁

Jリーグが開幕してまだ6試合。宇佐美はここまで6試合すべてに出場して7ゴールを挙げ、得点ランク首位に立っている。チェルシーから関心を持たれている武藤が5ゴールという事を考えても、宇佐美が武藤より劣っているとは感じない。
実際に宇佐美は10代の頃よりバルサやバイエルンから注目され、19歳でバイエルンへと移籍した。背番号は14で、入団会見まで開かれたほどだ。しかし、彼は期待されたような活躍を見せる事が出来なかった。
バイエルンでは3試合の出場にとどまり、0ゴール。ビッグクラブの壁の高さを嫌というほど見せつけられる結果となった。

ただ、希望は残していた。日本人の中で話題になるのが、プレシーズンマッチの1つとしておこなわれたアウディ・カップ2011のバイエルンVSバルセロナ戦だ。この試合に宇佐美は先発フル出場しており、バルサ相手に持ち前の技術の高さを披露している。
プレシーズンでバルサが本気では無かったとしても、海外経験の無い弱冠19歳の足技にバルサが翻弄された事実は大きい。宇佐美の技術が世界のトップレベルでも通用する事が証明され、間違いなく今後の日本代表を背負って立つ存在になると思われた。

しかし、宇佐美が代表に呼ばれることはほとんど無かった。呼ばれても出場機会は無く、期待された2012ロンドン五輪でも宇佐美はベンチスタート。まるで宇佐美という才能の花が枯れていくかのような日々であり、宇佐美の名前を口に出す日本人はほとんどいなくなった。
バイエルン、そして日本代表のザッケローニに共通していたのは、「宇佐美は守備の出来ない選手」という考えだ。攻撃面では頼れるFWだが、守備をこなせない。サイドハーフで起用される以上、現代サッカーの摂理に倣って守備にも走らなければならない。
宇佐美がよく口にする「ロッベンとリベリの守備参加はスゴイ」という言葉も、世界のトッププレーヤーが守備に奔走する姿を目の当たりにしてのものだろう。彼がドイツで学んだ事は守備面の方が多かったはずだ。

ただ、ロッベンとリベリを直接見たからといって守備が上手くなるわけでもない。宇佐美は90分間ピッチを上下動するスタミナを持ち合わせておらず、意識改革だけでは何も変えられない。
先月のハリルJAPAN初陣となったチュニジア戦とウズベキスタン戦で共に途中出場を果たした際にも、G大阪の選手が「あんなに走る宇佐美を見た事が無い」と語ったほど宇佐美は守備に積極的だった。しかし、それを90分間続けられるかと問われると疑問符が付く。
ハリルJAPANでもサイドハーフとして起用されたように、宇佐美が得意とするドリブルやカットインからのシュートを考えると、やはり左サイドで起用する指揮官が増える。しかしサイドには守備力が求められるため、先発で起用するのはリスクが大きすぎる。