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アジア杯中間総括【C組、D組】中東包囲網突破の日本、UAEの娯楽性溢れる攻撃サッカー

 そして、2位通過したUAE(アラブ首長国連邦)は天才肌の左利きのMFオマル・アブドゥルラフマンを軸に娯楽性溢れる攻撃サッカーで魅せるプレーを披露していました。オマルも含めて2012年のロンドン五輪出場メンバーが多く登用されているのが現在のUAE代表です。

 オマルは中村俊輔に非常に似たプレースタイルを持っています。俊輔よりもフィジカルコンタクトは強いのでドリブルも多いのですが、同時に判断力にも秀でているため、ワンタッチでシンプルに捌いてもらい直したり、あるいは自らは囮になる事を選択する事もできる賢い選手です。

 俊輔の全盛期に日本代表が彼中心のサッカーを展開してましたが、今のUAEも間違いなくオマル中心のサッカーをしています。彼のポジションで攻撃の方向性が決まります。ただし、ボールをもらいたがる俊輔とは違って、ボールを持たないでもゲームメイクできる頭脳が彼にはあります。その辺りがプレミアリーグの強豪アーセナルやマンチェスター・シティが彼の獲得を狙っていた部分でしょう。

 司令塔の彼を軸に初戦からカタールを相手に4得点する攻撃サッカーを披露。C組を2位通過したUAEは準々決勝で日本と対戦します。

“中東包囲網”第1破を危なげなく突破 アギーレ采配が冴えわたる日本が王者の貫録

グループD順位・星取表
順位/対戦 日本 イラク ヨルダン パレスチナ
①日本 ○1-0 ○2-0 ○4-0
②イラン ●0-1 ○1-0 ○2-0
③ヨルダン ●0-2 ●0-1 ○5-1
④パレスチナ ●0-4 ●0-2 ●1-5

 D組は日本以外は中東勢が占めた日本への“中東包囲網”の様相を呈しましたが、初出場のパレスチナは政治経済面で大きなインパクトとリスペクトを集めましたが、実力的には“参加賞”レベル。全試合大敗により実力差を感じさせた事で、他の3ヶ国が勝点3を予め持ったような状態で戦ったために最終節まで難しい駆け引きが続きました。

 ただし、結局は日本が豪州という開催地での中東独特の脅威は低いを証明するかのように、あっさり実力差を見せつける形で3連勝。2位通過を決めたのは、実は初戦でイラクがヨルダンに1-0と直接対決を制した事が決め手になりました。

 日本は準々決勝ではUAEと対戦しますが、質実剛健なイランよりも似たようなパスサッカーを志すUAEとの対戦の方が日本にとっては好都合だと思います。同様にパスサッカーへのスタイル変更を図っている豪州も同じブロックに入って来たので準決勝で当たる可能性が高いのも日本にとってはツキあり。面白いサッカーをしてくれるUAE、豪州と対戦する事は観ている側にとっても良いと思います。

 逆に決勝で対戦することになるであろうイランや韓国のような粘り強さチームとの対戦へ向けて、冴え渡る采配や、チーム作りの向上が試合を経るたびに感じられるハビエル・アギーレ監督が植えつける勝負強さを身に付けていく事が今後のポイントになっていくでしょう。

 すでに日本代表史上“最もボール際に強いチーム”にはなっていると言えます。また攻守の切り替えの速さを、これまで緩慢だった本田圭佑や香川真司が体現しているのも強みです。八百長疑惑に揺れるアギーレ監督ですが、監督としての能力は歴代日本代表監督で最高かもしれません。また、そうとは言えなくても、ブラジルW杯での惨敗を機にスタイルを見つめ直しつつ、取捨選択をして整理して再出発するという極めて難しい現在の日本代表には、”最も適した監督”であるのは確かでしょう。

 2013年のU20W杯ベスト4、2014年のU22アジア杯優勝から続く若手の台頭で、参加16ヶ国中最年少となる平均年齢22.6歳の若手タレント軍団のイラクも2位通過。準々決勝ではべテラン選手が主力の多くを占めるイランとの“聖戦ダービー”が前回大会に続いて勃発。前回はグループリーグでしたが、今回は負ければ敗退の決勝トーナメントなため、ピッチ内外で激しく注目を浴びる試合となる事でしょう。