米大統領も一目置く 伊首相注目の初来日
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本年はイタリアとの外交関係樹立160周年の節目。イタリア初の女性首相ジョルジャ·メローニ:Giorgia Meloni【1977年1月15日生】氏が就任後初となる来日も実現した。就任当初は「極右」とも報じられたが、蓋を開けてみればバランス重視で連立政権による安定した運営。我が国の首相との会談は先進7か国=G7で唯一となる女性首相同士の顔合わせ。
言うまでもなく英国がEUを離脱したことで、イタリアはフランス、ドイツと並んでEUを三本柱で支える経済大国。グリーンランド領有の件でアメリカと対立し追加関税の対象となったのはNATO加盟8カ国(英/仏/独/蘭+北欧四ヶ国)。結局新たな枠組みを構築することで見送られたが、この騒動から一線を引いていたのが昨年ドナルド·トランプ:Donald Trump【1946年6月14日生】アメリカ大統領就任式に欧州首脳では唯一出席したメロ-二氏との関係は良好で米欧間の橋渡し役としても注目される人物。
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一年前にヴェネツィアから国境を越えクロアチアのリエカへと移動した。その際立ち寄ったのがトリエステ。イタリアとスロベニア更にハプスブルク時代の名残りめウィーン文化が混ざり合う独特の風情が香る港町。2019年3月一帯一路構想の覚書にジュゼッペ·コンテ:Giuseppe Conte【1964年8月8日生】首相が署名。中国企業からの投資で、低迷する経済を回復させたいのがイタリアの思惑。この構想では海路と欧州鉄道網を結ぶ重要なハブとなるはずが感染症拡大と経済安全保障の懸念もあって
中国企業は鉄道インフラ整備から撤退した。この時中国支配の可能性に強く反対を示したアメリカはイタリアに対して「中国に流すから防衛分野の機密情報をお前らには渡さん」と言いきった。
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日本人対決のデルビ-が中国で実現 三年後にミラノの二大クラブは中国資本の手中に
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’16年に蘇寧雲商集団がインテルの株式70%を取得。翌17年には中欧体育投資管理がベルルスコ-二一族のフィンインベストからACミランの株式99.93%を手に入れていた。「チャイニーズ資本に乗っ取られたミラノデルビ-」に眉を顰めた日本のサッカーファンからすればイタリアの親中ぶりは驚きに値しない。
更に遡れば、’14年11月にミラノデルビ-初となる日本人対決が実現。しかし翌日15年7月25日インターナショナル·チャンピオンズカップで両雄が再び対峠したのは香港に隣接し、中国経済の頭脳として知られる深圳市。北米十三都市と中国三都市、欧州は英国とイタリア、豪州でも一試合開催された大会に日本人は参加しても日本が開催国から弾かれた。春秋制のJリ-グとの関連性もあったのかもしれないが、サッカーの枠を越え日本が政治経済において国際社会で日本の地位が下がっている現状を痛感させらせる。中国では世界最多の一億人を超える中国の富裕層が誕生し
爆買い」流行語大賞を受賞したのが十一年前。この頃は、日本がGDPに抜かれて五年「日本が駄目なんじゃなく中国が凄いだけ」と客観的で諦めの空気が蔓延していた。
ベネツィアは人口二十六万人。六万二千人が中心部で暮らしている。一帯一路構想は鉄道インフラだけでなく、農業などその他の分野で両国が協力を深める契機となり、中国人観光客の入国管理が簡略化されると、航空機の直行便数も急増した。大型観光バスに乗り押し寄せた中国人で埋め尽くされてしまった水の都。
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ヴェネト州ヴェネツィア県ドーロの街を過ぎてバスが橋に入った。隣の席で寝ている当時高校一年の息子を起こして窓の外を眺めるように促したのは十年前。ヴェネツィア映画祭開幕直前、会場風景を撮影するためリド島に。空港もあれば路線バスも走っているから本島とは趣も異なる。ホテルで携帯のゲームに没頭していた彼は、今やeスポーツの大会で欧州や北米に招待されており、それで飯を食っているから、種はこの時既に巻かれていた。それでも「今思えば、もっと歩いて写真撮ればよかった」と親心に気づいてくれた様子。
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