ユヴェントスだけではない。ELベスト4に進出したナポリとフィオレンティーナも、複雑怪奇な戦略を多数持っている。ベニテスが率いるナポリは4-2-3-1を使用しているが、流れは実にオートマチックだ。
メッシやロナウドのようなスター選手が所属している訳ではないが、個の力に頼らない魅力的なチームに仕上がっているといえよう。試合のテンポが遅いために面白くない試合と判断されがちだが、よく彼らの戦い方を見てほしい。レアルやバイエルンには無い戦略があらゆるところに散りばめられている。
それらを実践すれば、準決勝でレアルに一泡吹かせる事も充分可能だ。レアル、バイエルン、バルサが「攻め」のチームだとすれば、ユヴェントスは間違いなく「守り」のチームだ。その守りにはレアルも手を焼くはずで、上手く機能すればロースコアの試合に持ち込めるだろう。
これをセリエAの復権と呼んでいいのかは疑問だが、彼らはワールドスタンダードに背くことで力を付けた。国内リーグの魅力はプレミアやブンデスに劣るが、世界で戦う力を持っている事は間違いない。鎖国文化がどこまで通用するのか、注目度はバイエルンVSバルサより上でも良いかもしれない。