前半戦を最下位で折り返すという下馬評を大いに覆す最悪のシーズンとなったドルトムントだが、後半戦は一気に持ち返し、現在10位で残留争いの泥沼からはなんとか抜けることに成功した。
しかし、チャンピオンズリーグではいいところなくユベントスに敗退し、リーグでも辛うじててヨーロッパリーグ出場権を得られるかどうかというギリギリの位置にいるのが現状だ。
この数年で一気に一流チームへの仲間入りを果たしかに思われたものの、クロップ監督は未だチームの力は一流ではないと見ているようだ。
仮にヨーロッパリーグ出場権を得たとしても勝ち進むには実力が足りない、として新しい血の導入の必要性を示唆している。
しかし、その血は実績のある有名選手の獲得ではなく、グロスクロイツやシュメルツァーといった当初は無名の選手を発掘し、育成していく方向へと再び舵を切ることを目指すようだ。
勿論、チーム力維持のために必要なポジションには相応の選手の獲得をしていくだろうが、基本路線は再び育成型へ回帰するようだ。
クロップ氏の真骨頂は、無名の選手や戦力外になった選手のポテンシャルを引き出し、一流選手に伍するレベルまで引き上げることにあり、モチベーターとしての手腕にある。
しかし、実績ある選手を駒として使う戦術家としての手腕には若干劣る面があるのは否めないだろう。
現にアドリアン・ラモスやチロ・インモービレをレヴァンドフスキの後継者として獲得したものの、現在でも彼らを効果的に使えているとはいえないことからもそれは証明されるだろう。
来シーズンは原点に戻ったチーム編成で、再びブンデスリーガに旋風を巻き起こせるか。
クロップ監督の手腕が問われるシーズンになりそうだ。