2〗Recep Tayyip Erdoğan Stadyumu / イスタンブール


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カバー写真はドルマバフチェ宮殿のチケット。’22年3月29日ロシアとウクライナの両国和平代表団をこの宮殿に招いたエルドアン大統領の行動に世界が注目した。翌23年の大統領議会同時選挙ではエルドアン政権二十年の歴史に終止符がうたれるのではと噂もされたのだが、秋以降世論支持率は持ち直し、結局再選を決めてしまった。
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ご近所ならではの因縁 黒鷲とアパッチ

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ドルマバフチェ宮殿と目と鼻の距離にあるのがベシュクタシュの本拠地ボーダフォンアリーナ。歩けば50メートルも離れていない。タクシム広場からは徒歩圏内。そして両スタジアムの距離は2.5キロ。群雄割拠するイスタンブールエリアで最も近くに位置するのが両クラブとなる。トルコ国旗をエンブレムに入れることを許されているのもカスムパシャとベシクタシュだけ。カスムパシャの愛称はアパッチらしいが理由を調べたことはない。
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フラマンから届いたコンゴの核弾頭


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コンゴ代表のジャクソン·ミュレカ:Jackson Muleka【1999年10月4日】は近年カスムパシャで最もブレークした外国人。2022年2月にスタンダール·リエージュから貸し出されると14試合で12ゴール5アシストの驚異的な数字を叩き出す。8勝4敗2分で残留争いから抜け出す原動力となり、その八つの白星の中でも34節、ベシュクタシュとのアウェー戦では、ミュレカが2ゴールを奪った(スコアは0-3)の大金星が際立つ。これではシーズン終了後にベシュクタシュのフロントが獲得に動くのも無理はない。現在はサウジアラビアのアル·ホラードに貸し出されている。
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今回のあの日あの時は■2021年12月4日(金)シュペルリグ15節 カスムパシャSK対ベシクタシュJK
ミュレカの活躍で11位まで順位を上げてフィニッシュした21-22シーズン。四節から一分けを挟んで泥沼の六連敗。11月に入っても調子が上がらす最下位で監督解任。一方のベシクタシュも七位と低迷している状況で迎えた師走、決戦は金曜日。珍しくホームチームなのに赤のウェア。黒鷲軍団も上下ストッキングまで黒装束。試合の結果は前半12分に豪快なロングシュートが決まり、残り時間10分過ぎ敗色濃厚と思われた後半の37分。カスムパシャが二本のパスから同点弾を決めて勝ち点1を捥ぎ取ったゲーム。前任者の尻を拭うべく指揮を執るハカン·クトゥル:Hakan Kutlu【1972年1月14日生】新監督はここまでの五試合(カップ戦一試合を含む)を二勝二敗一分の戦績。初となる“大物”との対戦をドローで乗り切ると試合後は「満足できる結果」とコメントを残していた。
この試合は当初ツートップで臨みながら1点ビハインド。ならばと後半の頭からハンガリー代表のケヴィン·ヴァルガ:Kevin Varga【1996年3月30日生】を投入。ワントップにして中盤を厚く構成した布陣変更により後半を優位に進め相手にチャンスを与えなかった展開。
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トルコ国民に向けて強烈な名刺代わりの1ゴール1アシスト


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デブレツェンでそのプレーを見ていたヴァルガがハンガリーからイスタンブールに移ったのは2020年の夏。11月のUEFAネーションズリーグ·トルコ戦はブダペストで感染症拡大を理由に無観客開催。トルコのファン·サポーター名刺代わりとなる強烈なシュート二本の映像。一本目は枠に嫌われ味方が押し込みアシストとなったが、アディショナルタイムには長い距離を単独ドリブルからネットを揺らす。自身A代表初スタメン初G初Aの記録を刻んでの2-0勝利。ちなみに前回のべシュクタシュ戦でも先制点をアシストして勝利に貢献したのがヴァルガ。
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