彼らのユース時代はこのスタジアムが建設中。市の南側にあるSTADTSPORTANLAGEのグラウンドを使用していた。
現在もアカデミーとSKNユースチーム、多くの地元のクラブが活用。現在サンクトペルテンに本部を構えるニーダーエスターライヒ州フットボール協会《NÖFV》主導により、市とニーダーエスターライヒ州で計690万ユーロを投じ施設の拡張に取り組んでいるから、この地域はスポーツ環境に恵まれている。
｢自生の樹木が生い茂る緑地帯を崩さず、住宅地と境界を設ける事で住民に配慮する。｣と市庁舎広報担当もコメント。
さて、一昨年このクラブのテクニカルダイレクター(TD)、加えて昨年からアカデミーダイレクターとU18監督も任されたのは元浦和·神戸コーチのモラス·雅輝:Masaki Morass【1979年1月8日生】氏。
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1997年に18歳で指導者を志し二十年以上欧州の現場で実績を積み重ねるパイオニア。
昨シーズンは3位でフィニッシュ、今季も現在3位ながら補強に費やした金額はゼロ。’21年以来となるトップリーグ復帰がチームの重要なミッションには違いないのだが、幼少期からU18チームの育成はクラブが存続するうえでの根幹を成す。
日本人が手塩にかけて育んだオーストリア人のプレーヤー達。彼らが欧州のフィールドで活躍する未来、モラス雅輝TDが切り開いた道が日本サッカーの発展に大きく貢献していると気づく未来は、十年後二十年後に現実として訪れる。[第94話了]
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■写真/テキスト:横澤悦孝 ■モデル:田中梨瑚