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2015年7月29日UEFAチャンピオンズリーグ予選三回戦。オランダとオ-ストリア、両国を代表する名門対決はウィーンのエルンスト·ハッペルで初戦。0-2でアヤックス楽勝の気配が後半一変した。後半開始早々1点を返すものの退場者を出し絶対絶命のラピド。数的不利の状況で指揮官はスルジャン·グラホバツをピッチに送り修正を図る。一方アヤックスは79分にフィッシャーを投入。しかしその二分後一人少ないラピドが同点ゴールを決めた。8月4日アレナには五万三千人の大観衆。互いに4-3-3。フィッシャーは左翼スタメン。グラホバツは中盤右後方からボールを散らす。前半はアウェーチームが二点のリード。後半75分にホームチームが追いつきスタディオンの興奮はボルテージに達した。しかし残り十四分決勝弾は緑色のユニフォーム。ラピドが勝利してプレーオフへ。
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2016年5月11日のエルンスト·ハッペル。ラピド·ウィーンの今季ホーム最終戦をプレス席から見下ろす。圧倒的にゲームを支配しながら前半のビハインドを跳ねかえせずサポーターの苛立つ空気がヒシヒシと伝わる中で88分劇的な同点ゴールがうまれた。ドローながらシ-ズン序盤でアヤックスを谷底へ突き落とした実力の片鱗が垣間見えた。吹田パナソニックスタジアムでのキリンカップ決勝でハリルジャパンは指揮官の母国に逆転負けを喫する。スピードと技術で勝負する日本に対して、シュニッチを筆頭に体格差で優位に進めるボスニア·ヘルツェゴビナ。後半遠藤航:Wataru Endo【1993年2月9日生】を投入。’19年に加入しシュットガルトで称賛された対人の強さをこの試合でも発揮されていた。
この年耳に入ってきたのがダイムラー社のモスクワ工場建設計画。事実’19年に工場は稼働したもののウクライナ侵攻を理由に市場から僅か三年で撤退。記憶に新しい昨年三月、兵庫県警が神戸市の不正輸出業者を逮捕しているからロシアでのメルツェデス人気は衰えていないのか。
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ドイツの楽曲をハンガリーでカバーされソ連でも大ヒット 新時代の到来を予感させたサウンドにオ-ルドメルツェデスが蘇る
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YouTubeのショ-ト動画でクラシコやセレソンの懐かしい動画(90~2000年代)が流れてくる。Nerdatletabr_Oficialは登録者数は約59.7万人のフットボール専門チャンネル。そして毎日投稿されるコンテンツのBGMが一貫して更に懐かしの『Cheri Cheri Lady』。この曲がメルツェデス·ベンツの旧車の動画でもBGMにも使用されているのだか、同社公式の映像ではないらししい。オリジナル曲の男性ディオがドイツ人だからという安易な理由。英語の歌詞ではあるがドイツ、オーストリア、スイスのドイツ語圏でチャート1位を獲得。更に東欧各国だけでなく’86年にグラスノスチ改革(情報公開)を実施したソビエト連邦でも発売されて大ヒットを記録。欧州らしくどこか哀愁を帯びたファルセットが特徴。シンセサイザーを駆使しているのが、いかにも八十年代。今もなおノスタルジックでカルト的人気を誇っている楽曲。東欧で愛されたのはハンガリーのNeoton Famíliaがシングルでもリリースしたのも大きい。ソ連に韓国、そしてスペイン風の『ドンキホーテ』のヒットや九段の武道館で開催された世界歌謡祭でのグランプリ受賞(’83年)と日本での知名度が高い。
さて今回は引き立て役のデンマーク代表。22年カタ-ル大会グループD組最終節で後半15分レッキーがドリブルでゴール前まで進み、深い切り返しから左足でのフィニッシュ。四大会ぶりの決勝決勝トーナメントの立役者の姿に七年前のPK失敗が蘇る。
2006年6月22日クロアチアとのグループF組最終節の直接対決。時計の針は残り十分を指しての決勝ゴ-ル。今はAFC(アジア)圏に属しているがこの時のオーストラリアはオセアニア地区代表。FIFA加盟六大陸の“お荷物”が三度目の正直、遂に決勝トーナメント=ベスト16の悲願を果たしたのも、このシュツットガルトのスタディオンだった。〖第百九話〗
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⏹️写真/テキスト:横澤悦孝 ⏹️モデル:深川るん