そして第一位には南米からは唯一のランクインとなるジョン·コルドバ:Jhon Córdob【1993年5月11日生】。出身地はイストミナ。母国からメキシコのクラブを渡り歩き2013年スペインへ。
英レスター·シティに岡崎が移籍した’15年。リーガ·エスパニョーラ(当時)のグラナダCFから元U20コロンビア代表が期限付移籍。六節アウェーのバイエルレバークーゼン戦に残り九分、武藤との交代でワントップに入った。
序盤は負傷に泣かされたが年明けから調子が上がり、3月3日24節は後半途中出場で終了四分前に決勝弾。首位バイエルンから金星を手にした。完全移籍した16-17シーズンはELグループC全六試合に出場。翌17-18シーズンに四年契約でケルンへと移籍、開幕戦コルドバをワントップスタメン起用も0-1で黒星スタート。そこで二節ハンブルガーSV戦から大迫勇也:Yuya Osako【1990年5月18日生】とのツートップ配置も奏功せず連敗。ならばとコルドバのワントップ、大迫をトップ下の縦の関係を試みたドルトムント戦は0-5の大敗。八節にコルドバが負傷リタイア。結局十六節までの未勝利のケルンは二部へと降格する。シーズン終了後にはFIFAワールドカップロシア大会が開幕。グループHの初戦、日本代表のスタメンには大迫、ベンチに武藤の姿はあってもコルドバはコロンビア代表のメンバーから落選していた。二部のケルンで二十ゴールを記録し最短での昇格に貢献している。ヘルタ·ベルリンを経て21年にロシアプレミアリーグのFCクラスノダールへ。写真はモスクワで撮影したが迫力は相変わらず。以来今季で五シーズン目を迎え129試合に出場62ゴールを記録している。昨シーズンのクラスノダールは国内王者に。自身も最優秀選手賞を受賞している。三十二歳の現在、A代表でもレギュラーに定着。隔離されたロシアから抜け出し視線をイタリアに向けているとスペインのメディアが報じるも結局残留したのは些か残念。
あの日あの時は■2017年5月13日ブンデスリーガ第三節1.FSVマインツ05対アイントラハト·フランクフルト。観客数は三万四千人。後半五分に追加点を奪われ二点ビハインドのホームチーム。コルドバのゴールで反撃の狼煙を上げる。セットプレーを活かして同点。ハイライトは後半三十一分、ボージャン·クルキッチ:Bojan Krkić【1990年8月28日 生】のクロスを頭で決めたのは武藤。大逆転劇はアディショナルタイムに加点して閉幕。最終戦のケルン戦は0-2の敗退で沈黙なので、コルドバのマインツでのラストゴールとなった。
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危険と魅惑の国 行くことはないであろうコロンビア
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一位がコルドバにした理由として、日本人選手とのプレー機会も多く、また南米でもコロンビアという国の知識と情報が希薄、つまり自分が無知であるがゆえ記憶に残っていると言えなくもない。先月訪日したばかりの同国大統領の名前も先日ニューヨーク街頭での呼びかけ騒動で覚えたところ。フットボーラー以外となるとコロンビア人での名前が浮かぶのはベルリンで銀熊を獲得した女優のカタリーナ·サンディーノ·モレーノ:Catalina Sandino Moreno【1981年4月19日生】ぐらい。代表作は2008年に日本でも公開された[邦題]痛いほど『きみが好きなのに』。
イーサン·ホーク:Ethan Hawke【1970年11月6日生】の自伝小説発表から十年を経て自身の脚本·監督·出演で映画化された。書いていたら遥か昔パリ訪問時コロビア人女性と同室になり日本料理を食べた記憶が甦る。箸を使った経験がなかったからおしえたが難しいらしい。結局天ぷらを紙に包んで手渡し、二人で齧ることにした。コロンビアでは教員の仕事をしているのに、天真爛漫で普段からアグアルディエンテで鍛えられている様子。アルコール25~30度の燃える水=蒸留酒をテキーラのように一気に飲むらしい。『痛いほどきみが好きなのに』は、かつて若者だった誰もが、身に覚えのある胸が痛くなる作品。ちなみに筆者が今自伝を書くならば題名は『胃が痛いほど酒が好きなのに』。だろうか。
〖第七十二話了〗
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🔳写真/テキスト:横澤悦孝⁹