アヤックス新指揮官の候補にあがった外様の名将
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2024-25のオランダ·エールディビジは七連勝と追い風を背に受けてPSVアイントホーフェンが大逆転のフィニッシュ。復調のアヤックスは最終コーナーでまさかの転倒。三年ぶりのタイトル奪還を目前にしていた所で然うは問屋が卸さず。既に来るシーズンの新監督にヨン·ハイティンハ:Johnny Heitinga【1983年11月15日生】を指名している。第一候補だったエリック·テン·ハフ:Erik ten Hag【1970年2月2日生】氏は、バイエヤー·レバークーゼンに先を越されてしまったから苦虫を噛み潰したようなアレックス·クロース:Alex Kroes【1974年9月23日生】テクニカル·ダイレクター(TD)の表情が目に浮かぶ。生え抜きのショーニーにケチをつける気は毛頭ないのだが、先月26日付の《soccernews-nl》の記事が興味深くリンクを貼った。タイトルは「Ron Jans tóch naar Ajax=ロン·ヤンスはアヤックスへ」。クロースTDのオランダ人への拘りに、署名ジャーナリストのマールテン·ワイフェルス:Maarten Wijffels 氏が適任者として名前を挙げたのは外様で少々意外なロン·ヤンス:Ron Jans【1958年9月29日生】。
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2019年に開催されたアジア杯決勝。第一次森保ジャパンの初陣は決勝で地元カタール代表に敗れた。批判の嵐が吹き荒れ解任論も聞こえる中、知人に「後任に外国人ならば誰を推しますか?」と質問されたので暫しの間思考を巡らせた結果ロン·ヤンスの名前を口に出した事を思い出した。ドルトムントを解任されアヤックス在職時の評価を下げた元市原のペーター·ボス:Peter Bosz【1963年11月21日生】も捨て難いのだが、前々月にレバークーゼンと契約済。実際ドルトムント入りの時点で日本には手が届かない、否、手を出すべきではない“高額品”である。一方ヤンスは、’17年からは現場を離れフローニンヘンのTDの職に。ガンバ大阪から移籍した堂安律:Ritsu Doan【1998年6月16日生】に対しては高く評価し移籍も本人の意思を尊重するとコメント。がマンチェスターシティから貸し出された板倉滉:Kou Itakura【1997年1月27日生】にも好意的で歓迎してくれた。
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現役時代に教員免許を取得し、引退後はフローニンヘンのマールテンスカレッジで教職に就いたヤンス。前回述べた外国人監督の条件、①フットボール以外の業種での社会経験、②現場のマネージメント経験だけでなくフロント(TD職)の経験、そして③が重要で日本で最低一年以上生活した経験である。これはサッカーだけに限った話ではなく、日本人は世界の中で、いかに自分達が極めて特殊な存在であるか認識と自覚が薄い。皮膚や眼の色が違っても同じ人間だから解り合えるだろうなどと思ったら大間違い。日本という国家、日本国民はかなり変わっているから観光客程度の来日経験しかない外国人を代表監督に据えるべきではない。
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