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クラブW杯準決勝、広島VSリバープレート~南米王者の前で惜しくも散った広島

南米王者を土俵際に追い詰めた広島

【FIFAクラブW杯・準決勝】
サンフレッチェ広島0-1リバープレート

<得点者>
[リバープレート]アラリオ(72分)

皆川の抜擢に観る緻密なゲームプラン

 今大会2試合で5得点無失点。先発メンバーも6人替えながら階段を上って来たサンフレッチェ。準決勝で待ち構えるのは、南米王者のリバープレート。昨年のコパ・スダメリカーナ(欧州のヨーロッパリーグに相当)、今年のコパ・リベルタドーレス(同、チャンピオンズリーグ)を連続で制した史上初のチームとなった“現・南米最強王者”だ。

 そんな南米王者相手に挑むサンフレッチェの先発メンバーは、3-0と完勝した準々決勝のアフリカ王者・マゼンべ戦より2カ所の変更。左のウイングバックに今大会の開幕戦で負傷交代したMF清水航平が復帰し、右サイドにはマゼンべ戦では左サイドを担当したMF柏好文が回った。また、最前線にはエースFW佐藤寿人でもなく、浅野拓磨でもなく、開幕戦で先発して先制点を挙げた長身FW皆川佑介。今大会に入ってからも采配が冴えわたっている森保一監督にとって、それが勝利へのロジック(論理・実利)を編み出す最良の選択だった。

 この人選により、ベンチには佐藤や浅野、ミハエル・ミキッチといった明確な武器を持つ選手が揃った事もあり、前半はある程度は凌ぐ展開を意識し、後半のある時間帯で勝負に出る事も想定されていた。緻密なゲームプランの意図は試合前から十二分に感じられた。

 一方、リバープレートの方は所謂ベストメンバー。8月にコパ・スダメリカーナ王者とヤマザキナビスコカップ王者の対戦によるスルガ銀行チャンピオンシップではエースFWルーカス・アラリオとロドリゴ・モラの2トップや、ベテランFWフェルナンド・カヴェナギも来日しなかったが、この日の彼等はメンバー選考だけでなく、随所に真剣勝負を感じさせられる戦いを見せた。

【マッチレビュー】リーヴェルの圧力に苦しむも、決定機を量産した前半

 試合の方はリバープレートが前からの激しいプレスを徹底して押し込む展開から始まった。ただ、それはサンフレッチェにとっても想定済。だからこそ、「まず、最初の10分は耐える」意識をチーム全体で統一して相手の攻撃を跳ね返し続けた。結果、リバープレートにまともにシュートを撃たせず。セットプレーからシュートを許してもマークがタイトで相手のフィニッシュは苦し紛れに終わらせていた。

 序盤の圧力を凌ぎ切った後は相手陣内で起点を作って陣地回復を優先するさせる試合運びを選択。そのぶん2シャドーのドウグラスと茶島雄介は運動量が過多になったかもしれないが、確実に試合は落ち着かせ、徐々にサンフレッチェに流れを傾かせていた。

 そして26分、ハーフウェイライン付近右サイドに開いて受けたDF塩谷司が相手最終ラインの裏に的確に落としたアーリークロスがエリア内に走り込んだFW皆川へ。GKと1対1のような状況で突っ込んだ皆川だったが、冷静さを欠いたシュートは相手GKマルセロ・バロベロの好守に防がれる。衝突した皆川とバロベロが倒れ込んで一時プレーが中断されるが、コレで一気に試合の流れが変わった。