Foot ball Drunker〔157〕visiting『Hidegkuti Nándor Stadion』ブダペスト / ハンガリ-

ヨジェフ·カンタは98年MTKの育成組織に加入、’02年に提携クラブのボーデイクFC(二部)に貸し出されると十代にもかかわらず攻撃を牽引。2シーズンで58試合に出場し51得点の数字を残す。カップ戦でも八強まで勝ち残り、準々決勝ではフェレンツヴァロシュとの対戦を経験している。
武者修行を終えらと2004年に晴れてMTKトップチームとの契約書に署名。開幕戦でいきなり先制点の直接フリーキックと追加点のコーナーキックで1G1Aの活躍。’21年4月のフェヘールヴァール戦途中交代でベンチに退くまでの17年間をMTK一筋で過ごした。計428試合に出場し139得点119アシストの偉大なる足跡。ボスマン判決以前なら兎も角、以欧州一部リーグのA代表経験者で一度も移籍をしていないフットボーラーなど思い返しても見つからない。何が凄い、どれぐらい凄いかといえば、初恋の幼馴染と十代で結婚して一度も浮気しなかった旦那さんぐらい凄い。
そのカンタは引退と同時にU19チームで指導者としての道をスタート。’22年からはリザーブチームの監督に就任しているから近い将来トップチームまでの路線は既に引かれている。彼が指揮する姿を撮影するためブダペストを訪問する日もそれほど遠い未来ではないかもしれない。[第157話了]


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⏹️写真/テキスト:横澤悦孝  ⏹️モデル:平久保安純