大阪のタコ焼きと ベルギーの揚げたじゃが芋
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カバー写真はポテトでVサイン。本場ベルギー訪問時はよく食べる。政権がなかなか落ち着かず「早く政権作れ!」とデモが起きた2011年。そのときベルギーを象徴するこのフードを手に行進したから「フリッツ·デモ」とも呼ばれていた。
自国のビール文化が2016年ユネスコ無形文化遺産に登録されたベルギーではフリッツ(フライドポテト)も申請するとか、しないとか。大阪の家庭にたこ焼きプレートがあるように、ベルギー人がフリッツ用フライヤーを常備するのもジョークではない。
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フランスのリールで食べたフリッツが妙に美味かった。この日朝からせわしく口にカフェオレを含んだだけ。リール·フランダース駅から地下鉄で移動しスタジアムに到着。周りを散策するが飲食店らしきものが見当たらず。トゥルネー通り側(北側)にファ
ースト·フード店『Friterie Sensas』の移動スタンドを発見。注文したフリッツとその歴史を噛み締める。16世紀スペイン・ハプスブルグ時代、南米からフランドルに持ち込まれたジャガイモを最初に揚げて食べたのは、17世紀のワロン人らしい。
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リールのトゥルネー通りとは少々紛らわしい。トゥルネーはリールと国境を挟んで位置するワロン地域の都市。欧州連合(EU)の前身「ヨーロッパ経済共同体」の発足当時のメンバーは、フランスとベルギー、それにドイツ、イタリア、オランダ、ルクセンブルグが加わったものの僅か6カ国。国境を超えての事業がやり易くなるように地域協力グループに法人格を与える”EGTC”制度を設けている。
初のEGTC誕生は2008年1月28日。ユーロメトロポール·リール·コルトレイク·トゥルネー(ELKT)とその名前はおそろしく長い。メトロポールの6文字。日本語表記にすると大都市圏共同体。1968年にリールメトロポールが創設され現在85自治体で構成されている。90年代からベルギー側四つの自治体連合と連携しており、リール大都市圏が構築されるための下地は整っていた。フランスのリール市、ベルギーのコルトレイク市とトゥルネー市で形成するトライアングル周辺には現在147の自治体に、人口約210万人が暮らしている。今やEU最大規模の越境大都市圏へと成長した。
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第74話はリールから25キロ東に国境を越えたコルトレイクのグルデンスポーレン·スタディオン。逆V字エンブレムはのKVコルトレイク。KVのVはオランダ語Voetbal。コンパクトなマッチデー・プログラムの日付は2015年10月18日。対戦相手シャルルロワの空港からブリュセル経由でコルトレイクに移動。何故ゆえにこのプリントアウトした航空券を撮影していたのか。実は座席ナンバーが印字されていたから。それまでライアンエアは全席自由、早めに搭乗すれば一番前の座席が確保できた。
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写真は当時新エースのアサナシオス·パパゾグル:Athanasios Papazoglou【1988年3月30日生】
このギリシャ人とクロアチア人のツートップが共にゴールを決めての快勝。フランス:3 ベルギー:2 ルクセンブルク モンテネグロ コンゴ 南アフリカと多国籍ぶりもジュピラープロらしい。