74〗Estádio João Cardoso / トンデラ

バスから降りてきたクラウド·ゴンシャウベス:Claude Gonçalves【1994年4月9日生】を撮影したのは2018年の春。フランス生まれの元U20ポルトガル代表は当時二十四歳。’16年からの二シーズンで五十七試合に出場した”いぶし銀”の守備的ミッドフィルダー。現在はポーランドのレギア·ワルシャワに。
2021/22シーズンにトンデラが二部降格してしまうと’22年10月ベレンゲル社長が退任し株式を返還する。一方グラナダの元会長で一時はパルマの筆頭株主でもあった蒋氏は複数のコンサルタントや経営陣への支払い滞納が発覚。またホープ·グループのスペイン従業員の給与も’19年末から突然未払い状態に。Voz Pópuli:ヴォスポプリ紙の記事では財務省の’20年債務不履行者リストに掲載され’21年の債務額は何と235万ユーロに達したらしい。蒋氏は消息不明とか香港で破産手続きをしたらしいとか、このあたりは如何にも中国の若手実業家と言えなくもない。

トンデラの’23年会長選は他に候補者が現れず二年間の任期でコインブラ氏が再選。純利益は77,985ユーロを発表し年度会計の承認を得ると、会員に向けて’26年度の候補者の推薦と支持を求めた。「新たな指導者が必要、新たなアイディアと取り組みが求められる。四人程度の候補者で議論できるのが理想的。クラブにとっても街にとっても素晴らしい」と述べている。トレーニングセンターが完成次第を退任すると表明したもののプロジェクト完了には数百万ユーロが不足する苦しい台所事情。’22-23シーズンは二部でも11位に低迷した。
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23-24シーズンは六位でフィニッシュ。このシーズンはルイス·ロシャ:Luís Rocha【1993年6月27日生】をギリシャ二部PAEハニアからフリーで獲得。2016年のヴィトーリアSC以来七年ぶりとなる母国復帰。上写真は18-19に在籍していたワルシャワで撮影。またカーボベルデ代表エルデル·タヴァレス:Hélder Tavares【1989年12月26日生】が五年ぶりに復帰したのもこのシ-ズン。
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二部での快進撃 夢の実現に会長も歓喜

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あの日あの時は■2024年12月15日リーガ·ポルトガル2 第14節CDトンデラ対ポルティモネンセSC。ホームでは前半の最終戦。観客数は千三百四十二人。二部とはいえ県内では最大のクラブでもこの程度。来場し難い月曜日でも試合を開催して、テレビ優先にするのも仕方ない。ここまで七勝六分けの無敗で首位をキープしている。主将章を巻くのは’18年にレイションイスSCから移籍して七シーズン目となる古参のリカルド·アルヴェス:Ricardo Alves【1991年5月9日生】。

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元U21代表はトップリーグの経験こそないものの筋金入りのセンターバック。試合は前半PKとセットプレーの好機を活かしベテランのロベルト:Roberto【1988年11月28日生】が二得点。アルヴェスが左に入ったスリーバックと最終ラインの前で攻撃の芽を摘んだタヴァレスとブラジル人のツーボランチ。守備陣も無失点でホイッスルを聞く。無敗のままウィンターブレイクまで辿り着いた。年明け一度首位の座を明け渡したものの二十節から最終までトップで走り抜けた。コインブラ会長は「夢を約束通り実現した」と語ったが、プロリーグデビューを果たし留任を表明していたルイス·ピント:Luis Pinto【1989年4月1日生】監督はヴィトーリアに引き抜かれた。昇格の目標こそ達成したがアルヴェスもロベルトもチームを去り二部のCDチャベスで今季はプレーしている。今季も黄色と緑のウェアを着ているのは一年契約を延長したタヴァレス。再来月には三十六歳の誕生日を迎える鉄人。

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歩いても歩いてもスタジアムまでの道程が思いの外遠い。自分を横目に選手を乗せたバスが通り過ぎていく。本年はアラバマ州モンゴメリーでのバス·ボイコット事件から七十年。翌年、連邦最高裁判所からモンゴメリーの人種隔離政策に対して違憲判決を下された。しかし現在世界を見渡せば、極右が台頭する潮流。今春 不法移民に対して退去命令を発したポルトガル政府は先月末、入国をより厳しくする移民法を承認した。今後ブラジル人であっても、入国前の就労ビザ取得が義務化され、永住ビザの取得となると簡単ではない。

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差別するなバスに乗せろと言う輩にかぎって バスが事故ると見ぬふりをする

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国際人権基準に反するからと移民規制を、やれ人種差別だ人権侵害と結びつけるのは理想論。移民(外国人)の流入がもたらすデメリットについて検討しないまま政策を進めてきた欧州に目を向けるならば、失敗例には事欠かない。日本政府は自国と他国の国民性の違いに関して無知なのか。それとも都合の悪い事には目を反らしているのか。