1〗Dender Football Complex / デンデルレーウ

十五年ぶりの美酒で 溜飲を下げる

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さてカップ戦は年明けを待たず消え去ったデンデルEHも自動昇格の二位で歓喜のフィニッシュ。そして今季’09年以来15年ぶりとなるトップリーグも20節を終了して九位の一桁順位をキープしている。年内最終戦は敵地でアンデルレヒト相手に後半逆転する劇的な勝利(スコア2-3)で締め括れたのは非常に大きい。ゼルビア町田ほどではないにしろ昇格クラブが巻き起こす旋風に、長らく待たされた地元ファン·サポーターはビールを流し込んで溜飲を下げていることだろう。


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ゴールキーパーなる特殊なポジションである以上、何よりも出場できる環境と状況を確保することが優先され、谷の帰国は大正解の判断だったのは言うまでもない。但しフィールドプレーヤーだったら。ベルギーの二部でも昇格争いの中に身を投じるのも悪くはない。よく耳にするのはリーグのレベルが低い高い。インフラや待遇が良い悪い。欧州に行くべきか。日本でプレーするべきか。誰もが選択肢に悩むのが人生。

ベルギー二部に移籍するべきか否か

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筆者はフットボールプレーヤーではないが、欧州各国各都市のクラブを周った経験から言える事もある。プレミアだから、ブンデスリーガだからと国単位で同じように決めつけるのはNG。同じリーグでもクラブチームによって大きく異なる。更に言うならば同じクラブでも担当者が異動したらガラリと変わる。結局のところ“人”なのである。
もし欧州に移籍を考えるならば指揮官に求められているタスクを理解し自身がこなせると判断したならばすべき。監督が更迭され戦術が変わって出番を失ったとしてもその時は運と実力がなかったと諦めて、新天地をまた探しそこから新たな一歩を踏み出すしかないのだが、よく考えれば何もフットボールの世界に限った話でもなく当たり前のことでしかない。〖第一話了〗


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⏹️写真/テキスト:横澤悦孝 ⏹️モデル:会沢蛍