ポーランド最大の都市は風の街
◇◇◇◇◇
明後日には大統領選の投票が行われるポーランド。UEFAチャンピオンズリーグ決勝だけでなく、こちらの結果もかなり気になるところ。ポーランドの首都はワルシャワ、では「ポーランド最大の都市は?」と聞かれた事がある。何を言っているのかわからず狐に摘ままれたような表情をしてしまったが、ユーモアのセンスのある方ならば”シカゴ”と答えるのが正解。なるほど。アメリカ合衆国総人口三億三千万の3%、一千万人がポーランド系。その二割はミシガン湖からの強い季節風で別名“風の街”と呼ばれるシカゴの在住者。シカゴはかなり昔冬に一度だけ訪問しているが、イリノイ州最大の街は夏に行くところ。州別に統計見ると最も多いのは東南端ニューヨーク州。確かウエストサイド物語もポーランド系とプエルトリコ系の対立だった。次いでシカゴのイリノイ州。デトロイトのミシガン州、ペンシルベニア、ニュージャージーと東部の州が続く。六位にはウィスコンシン。ドイツ、ポーランドからの移民がつくったビールの街ミルウォーキーにはミラーのビール工場がある。イリノイ州の州都はシカゴではなくスプリングフィールド。名前からして春に行くべき所か。
◇◇◇◇◇
◆◆◆◆◆
一人当たりのビール消費量ではドイツを抜いて、チェコに次ぐ世界二位になったこともあるポーランド。上写真はワルシャワ空港で搭乗までの暇潰し。居酒屋ではあるまいし日本の空港で昼間からピッチャーはあり得ない。ポーランドでも友人·恋人·etc··· 複数名で注文するのが通例なのだろう。昼間から独り飲みでビールのピッチャーを注文したら店員に笑顔···というより笑われた。搭乗時間が近づき、持て余したので隣のカップルのグラスに継ぎ足してポーランドとの友好促進に一役買ったと思ったが、陽気な彼らはアメリカ人旅行者だった。
◇◇◇◇◇
国際舞台に復活するバルセロナカルテッド
◇◇◇◇◇
間もなく開幕するFIFAクラブワールドカップ、開催国のインテル·マイアミはエジプトの強豪アル·アハりとの初戦をホームで迎える。英ワールドサッカー誌面には、元バルサの面々が引っ越したマイアミでの近況。フロリダに行ったことはないが都市名にビ-チとあるから温暖なリゾートで観光客で賑わう光景が目に浮かぶ。バルセロネータ、ボガテル、サン·セバスティアンなどバルセロナ近郊の有名なビーチにも比毛をとらないのだろう。バルセロナカルテッドがこの街で復活したのも頷ける。これがシカゴやミネアポリスなど中西部のクラブからのオファ-だったら大金を積まれたとしてもカタル-二ャのス-パ-スタ-達は契約書に署名するとは思えない。
◇◇◇◇◇
◆◆◆◆
欧州の酒屋の棚にアメリカ製ビールは見当たらず帰国してからブルックリンラガ一を添えた写真。実は先日バドワイザ一をコンビニで買ってみたら、甘ったるくて飲めたものではない。十···二十代の頃あんなに美味いと感じたはずが加齢による味覚の変化を痛感する。キリンが日本で醸造しているライセンス商品と期待せずにグラスに注いで喉を潤すと、なんとブルックリンラガ一美味し。味わい深く舌を巻いた。
◇◇◇◇◇
自由の街から星条旗なびく自由の国へ
◇◇◇◇◇
第34話はポーランド北部の港街、スタディオン·エネルガ·グダニスク。“自由の街グダニスク”その異名には二つの意味がある。まずは1980年8月 造船所での不当解雇が火種となり、バルト海沿岸へと広がった火の手は百万人以上の労働者を巻き込み空前の大ストライキが勃発。ここから九年後の自由選挙へと繋がり民主化を実現した。もうひとつはドイツがバルト海沿岸を支配していた一次大戦時、ヴェルサイユ条約により、グダニスク周辺を国際連盟保護下の自由都市に決めたこと。つまりこの都市だけがドイツ領とは切離され、ポーランドとの関税同盟を締結した歴史がある。しかしグダニスク湾に停泊中のドイツ戦艦の砲撃を合図にポ-ランド侵攻の幕が切って落とされる。開戦の地である同市には世界最大規模の戦争博物館があり二次大戦の記録を後世に残す役割を担う。ポーランド系とロシア系のユダヤ人達が北米へと移住する拠点だったグダニスク。自由の街は自由の国へ通ずる場所だったのである。
◇◇◇◇◇
◆◆◆◆◆
バルト海に面した波蘭は 波乱万丈の国
◇◇◇◇◇