テキストテキストテキスト

テキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキスト

バニーズ京都SCが迎える大一番!「いつも通りやります!」 【プレナスなでしこリーグ2部・チャレンジリーグ入替戦 VS FC吉備国際大学Charme】

 女子サッカーの国内3部相当となる『プレナス・チャレンジリーグ』に所属するバニーズ京都SCが、この上ない重要な試合を迎える。

 今季の『チャレンジリーグWEST』で初優勝を遂げ、『プレナス・チャレンジリーグ【プレーオフ順位決定戦1~4位】』の結果、2位となったバニーズ京都は、『プレナスなでしこリーグ2部・チャレンジリーグ入替戦』で、なでしこリーグ2部・9位のFC吉備国際大学Charmeと来季のなでしこリーグ2部の座をかけて戦う。

 現在でこそ洗練されたパスサッカーを披露するバニーズ京都だが、2014年シーズンの終盤にはチャレンジリーグ(当時は2部相当)からの降格の危機に瀕していた。しかも、当時はなでしこリーグ2部を新たに創設するリーグ制改編のタイミングだった。そのため、「2014年シーズンのチャレンジリーグで16チーム中の10位以内が翌年から新設する、なでしこリーグ2部に“昇格”」する傍ら、「下位2チームはチャレンジリーグ入替戦参入決定戦を勝ち上がったチームと入替戦を戦う」という“独特のレギュレーション”により、一気に地域リーグへの降格の可能性があった。

 現在も指揮を執る千本哲也監督はそんな2014年11月に緊急就任し、クラブ最大の危機を救った。以来、3年間着実に積み上げて来たスタイルと、司令塔を務めるMF澤田由佳(背番号7)が、「毎年、順番に個の能力を持った選手が入ってきていて、人は揃ったと思っている。」と言う戦力的なグレードアップにも成功。社会に置いても切り離せない、「組織」と「個人」が的確に配分された魅力的なサッカーを披露し、遂に2部昇格にあと1歩まで迫っている。

なでしこリーグ2部9位・FC吉備国際大学Charme ~池尻・関口・吉田ら個の能力が高い選手も在籍

 そのバニーズ京都の相手となるのは、今季のなでしこリーグ2部で9位に終わった、FC吉備国際大学Charme。現在は地域に根差すクラブチームとして登録され、社会人選手や外国籍選手も在籍する。また、2013年から2014年シーズンには大学チームながらも、なでしこリーグ1部に昇格・残留も果たしている。

 吉備国際大学は、そのなでしこリーグ1部に在籍した2013年シーズンから、フィジカルを含めた個の能力での差を補うために<3-4-2-1>という特異なシステムを採用。なでしこリーグ1部残留や、2014年初頭のインカレ(全日本大学女子サッカー選手権大会)優勝も成し遂げている。

 ただし、大学卒業のタイミングで伊賀フットボールクラブくノ一へと加入した日本代表MF杉田亜未らが抜け、2014年シーズンには、なでしこリーグ1部最下位で2部へと降格。以降は10チームで構成される、なでしこリーグ2部で8位、9位、今季も9位と沈んでおり、昨季に続いて今季も入替戦へ回って来た。現在は上記した3バックのシステムをメインとしながらも、4バックの<4-4-2>と併用しながら粘りの戦いをしている印象が強い。

 それでも名古屋グランパスの元日本代表FW玉田圭司を彷彿とさせる左利きのエースFW池尻茉由(背番号11)、他のなでしこリーグ2部の指揮官がほぼ対策を採ってくるMF関口真由(背番号26)のような個の能力で打開できるタレントはいる。

 この池尻と関口の“Wまゆ”は両サイドMFとして両ワイドでプレーする時もあれば、左側のFWとサイドアタッカーとして近い距離でプレーする時もある。DFもMFもFWもこなす“稀代のオールラウンダー”吉田凪沙(背番号3)も含め、彼女たち3人がどのポジションで出場するか?または試合中にシステムや役割、配置を変更する事で、このチームがその時間帯でどこに目的を置いているのか?を見極める事が勝敗の鍵を握っていそうだ。

 「勝つためのプレーを選択する」自立したパスサッカー

 バニーズ京都のパスサッカーは実に緻密だ。

 ちょっと驚いたのは、3チームを組んでゲーム形式の練習をする時だった。残った1チームはジョギングで体を温めるのだが、その際にも「こっちのサイドが2人余ってるから、ココの数的優位を活かして行こうよ!」と走りながらアイデアを出し合っていた。フラットな気持ちで見ても真剣さを感じたが、話の輪の中心でアイデアを共有しようとしていた声の主が、GKの山田紅葉(背番号1)だったことに驚いた。

 そして千本監督には、バニーズ京都という車を支える両後輪であるサイドバックについてお聞きすると、「このチームのSBにはゲームメイク能力も必要で、極論すればSBとボランチは一緒かもしれません。」と言う。“繋げるSB”だからこそ、千本監督は、「空いているなら中央に入ってボールを受けてみては?」と“SBのボランチ化”を提案しているのだ。

 そんな千本監督は、入替戦への出場権を勝ち取った9月30日のプレーオフ最終戦・FC十文字VENTUS戦後には、チーム作りや試合運びに対して、こう答えていた。

「勝つためにやるのが前提で、パスを繋ぐのか、大きく蹴るのか?どっちが勝つために最適なのか?可能性が高いのか?それを実際に選択するのは、ピッチに立った選手達です。もしかしたら、『テクニカルエリアぎりぎりまで出て来て指示出さんでいいよ、オッサン』とか思われているかもしれません。一応、リスペクトされてるとは思うんですけど(笑)。

 ミーティングも相手チームへの対策や自分達の戦略も細かくしていたら5時間くらいかかるかもしれません。そうなったら集中力も持たないし、雁字搦めになってしまう。そもそもそんな時間もない。でも、相手チームの分析や映像は選手達に渡してあるので、それだけで彼女達は自分達でどういう試合運びをするのかを相談しながら決めてプレーしています。だから僕は何もしていないんです。

 入替戦では格上との対戦になりますが、こちらが何かを変えるか?それとも、いつも通りやるのか?どのエリアでボールを回すのか、という部分に違いはあっても、格上相手にボールを回すことで相手をイライラさせるような精神面を揺さぶるアプローチもあるし、それができる選手達だとも思っています。でも、それは今からまた選手達と一緒に考えます。」

 その約5分後、チームの司令塔を担うMF澤田も囲み取材中、格上との対戦となる入替戦への質問に対して、「相手がイライラするくらい主導権を握って戦いたい」と述べ、筆者は思わず、「先程、監督も全く同じこと仰ってましたよ」とツッコミを入れると、「あちゃ~、かぶっちゃいましたか~?」と思わず溢れた笑顔で、少し緊張感もあったその場が和んだ。

千本監督「いつも通りやります!」

 それらを踏まえた上で、12月1日の練習後の千本監督は、

「いつも通りやるだけです。サッカーの大枠は変えないですけど、プレーするのは選手達なので、選手達がピッチで感じる事を優先すべきです。でも、『自由にやれ!』だけでは逆に困りますよね?だから僕は大枠だけは変えないように客観的にアドバイスはしています。でも、それが、いつも通りなんです。僕は何もしていません。

 相手が3バックと4バックを併用して、選手の配置を替える事に対応するのも大事なんですが、それよりも大事なのは、ピッチでは相手チームと戦っていることを忘れないことです。自分達のベンチと戦っているような状況には絶対にしたくないんです。」

と、ブレない指針と入替戦への抱負を言葉で示していた。

 バニーズ京都の緻密なパスサッカーには、ジョゼップ・グアルディオラ監督がバイエルン・ミュンヘンや現在指揮を執るマンチェスター・シティでも実践しているような“SBのボランチ化”や、それを駆使したサイド攻撃など男子の欧州サッカーのトレンドも垣間見れる。ただ、それは選手が主体的にプレーするためのアプローチから成り立っている。「面白いサッカーには、勝つことも含まれている」のだ。

 日本サッカーではパスサッカーやポゼッションサッカーとなると、どうしても中央突破による攻撃がイメージされる。しかし、バニーズは常に両サイドにウイングを配置しているように、パスサッカーとサイド攻撃を両立させた上で中央突破も狙う。そこには4バックのDF全員が常にウイングが抜け出したり、CFが相手CBと1対1になるなら縦パス1本も狙っている、というサッカーが「点取りゲーム」である前提で勝つためのプレーを選択するプレー原則も存在する。

 関東から東にお住まいの女子サッカーファンの間では、「バニーズさんのサッカーを全国で観たい」との声も強く、先月には皇后杯2回戦でなでしこリーグ1部の長野パルセイロレディース相手に2-3と惜敗するも、全く引かずに主導権を取りながら果敢にプレーする姿には、相手サポーターから「感動した!」とも絶賛された。シーズンが終わったことで“Jリーグロス”を感じているサッカーファンの皆さんの心を満たすサッカーがココにはある。

 まずはホームの西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場で迎える第1戦。関西在住のサッカーファンに、そして地元住民の皆さんには、1人でも多くの人をお誘い合わせのうえ、観戦に訪れていただきたい!観戦無料でJリーグでも見れないサッカーを味わえる「お得感」を体験してみてください!

【バニーズ京都SC 今後の試合日程】

≪2017プレナスなでしこリーグ2部・チャレンジリーグ入替戦≫

第1戦、12/9(土)13:00 K.O.
バニーズVS吉備国際大学@ 西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場(京都)
第2戦、12/17(日)13:00K.O.
吉備国際大学VSバニーズ@岡山県津山陸上競技場(岡山県)
※詳細はクラブ公式コンテンツにて。

【バニーズ京都SC公式コンテンツ】

〇バニーズ京都SC公式HP
〇バニーズ京都SC公式Twitter
〇バニーズ京都SC公式Facebook

バニーズ京都SC関連記事

〇『“日本らしい”バニーズのサッカーで初戦を制す! 【プレナスチャレンジリーグ≪プレーオフ順位決定戦1位~4位»第1節、バニーズ京都VS大和S】』
〇『祝・入替戦進出~バニーズ京都を完勝に導いた選手主体のサッカー 【プレナスチャレンジリーグ≪プレーオフ順位決定戦1位~4位»第3節】』
〇『【インタビュー】バニーズ京都SC・澤田由佳 ~女子サッカーの奥深さを体現する稀有な技巧派MFのサッカー観』
〇『【インタビュー】バニーズ京都SC・DF酒井望~”左利きの左SB”としての視点『【連載】サイドバックから考える現代サッカー(特別編)』

By | 2018-02-12T15:28:54+00:00 12月 8th, 2017|Categories: コラム, なでしこリーグコラム|Tags: , , |バニーズ京都SCが迎える大一番!「いつも通りやります!」 【プレナスなでしこリーグ2部・チャレンジリーグ入替戦 VS FC吉備国際大学Charme】 はコメントを受け付けていません。

About the Author:

hirobrown
創設当初からのJリ−グファンで各種媒体に寄稿する副業サッカーライター。好きなクラブはアーセナル。宇佐美貴史やエジル、杉田亜未など絶滅危惧種となったファンタジスタを愛する。趣味の音楽は演奏も好きだが、CD500枚ほど所持するコレクターでもある。 サッカー歴:中学・高校時代にサッカー部に所属。 中学時は大阪市トレセンに選出される。 その後は競技者としてのサッカーから離れていたが、サッカー観戦は欠かさない 。