CL決勝トーナメントがスタートし、いきなりのビッグクラブ同士の対決など大いに盛り上がりを見せている。しかし、世間ではよくこんな事が言われる。「ベスト8からが本当の決勝トーナメントだ」と。中堅クラブが超えられないベスト16の壁とは!?
☆2位通過に望みは無い!?
まだベスト16の1stレグが終了しただけで、2戦合計の結果が出た訳では無い。しかし第1戦の時点で結果が見えてしまったカードも少なくない。例えば日本代表の内田が所属するシャルケは、ホームに昨季王者のレアル・マドリーを迎えた。
内田はシャルケのMVPに選ばれるほどの活躍を見せたが、結果は0-2の完敗。アウェイゴールを2点も奪われては、勝ち抜けは難しい。レアルのスタメンには負傷者が多数出ており、決してベストメンバーではない。それでもシャルケに付け入る隙を与えなかった。
言い方を変えれば、シャルケ程度の相手であれば1.5軍でも充分に勝てるという事だ。ホームのシャルケはゴールへの気迫を見せたが、セルヒオ・ラモスを欠いたレアルのDFラインでも崩す事は出来なかった。もし第2戦にラモスが戻ってきたと考えると、シャルケが勝てる見込みは皆無といっていい。
シャルケとレアルの顔合わせは昨季の決勝トーナメント1回戦でも実現しており、その時レアルは第1戦を6-1とCLらしからぬスコアで大勝している。その時と比べればシャルケは善戦したといえるが、とても決勝トーナメントのスコアとは思えない。
それほど彼らの間には力の差があるのだ。この試合だけでなく、1人退場者を出しながらも試合を完璧に支配されたシャフタールとバイエルンの一戦もそうだ。シャフタールはホームアドバンテージを活かす事も出来ず、攻撃の形を作る事が出来なかった。相手に退場者が出たにも関わらずだ。
グループステージの段階で得点ランク首位となる6ゴールを挙げたルイス・アドリアーノがいても、彼にシュートチャンスは訪れなかった。
ベスト16はグループステージを1位通過したチームと2位通過したチームが戦うようになっている。この1位と2位の間には、大きな差があるのだ。ルールとして、ベスト16は2位通過したチームのホームスタジアムで第1戦がおこなわれる。
つまり2位通過のシャルケはホームに1位のレアルを迎え、同じく2位通過のシャフタールもホームに1位バイエルンを迎えた。ホームで第1戦を戦えることは有利にも感じるが、ホームチームは攻める事が出来ない。主導権を握るのはアウェイチームである事がほとんどだ。
柿谷が所属するバーゼル(柿谷はベンチ外)も、ホームでポルトに試合を支配されてしまった。ポルトは1位通過したチームの中でも最弱の部類に入るが、それでもバーゼルは自分たちのサッカーが出来なかった。これでは優勝など夢のまた夢の話である。
もちろんパリVSチェルシーや、シティVSバルサなどの例外的なカードもある。しかしほとんどのカードでは1位側が勝利してしまうのだ。
☆日本人選手3名、生き残るのは誰だ!!
そんな中、日本人選手も3名決勝トーナメントに出場している。前述したシャルケの内田、バーゼルの柿谷、そしてドルトムントの香川だ。この中では唯一ドルトムントが1位通過を決めており、第1戦をアウェイで戦う事になる。
まだ決まった訳ではないが、第1戦を見た限りではシャルケとバーゼルに勝ち抜けのチャンスがあるとは考えにくい。バーゼルは初戦を1-1で終えたが、ポルトのホームではさらに防戦一方の展開となるだろう。このままいけば柿谷は決勝トーナメントの空気を味合わないまま姿を消してしまう。
日本人でベスト8に進むチャンスを持っているのは香川のみと考えていい。しかし相手はイタリア王者ユヴェントス。ベスト16の中でも屈指の好カードと呼ばれる顔合わせだけに、結果がどちらに転ぶかは分からない。