スペイン時代の『八百長疑惑』による騒動で『契約解除』となったハビエル・アギーレ氏の後任を巡る報道は二転三転し、なかなか決まりそうに無い。
長期戦も考えなければならない状況にある中で、本命候補としてリストアップされてきている人物の名前が三つ、浮上してきた。
最近はゼニト・サンクトペテルブルクを指導していたルチアーノ・スパレッティ氏、日本でのプレイ経験もあるデンマークの英雄、ミハエル・ラウドルップ氏、そして先のブラジルワールドカップでアルジェリアを率い、16強入りに貢献したバビド・ハリルホジッチ氏の三名である。
果たして、この三人で最も日本代表のニーズに合う人物とは誰だろうか?戦術的志向や指導力を含めて検証してみたい。
では、まずスパレッティ氏から検証していこう。
スパレッティ氏は、下位リーグのチームからあちこち渡り歩いて指導をしてきた、叩き上げの指揮官である。
組織を作り上げる手腕に長け、攻撃的なチームを作り上げることで知られている。
また、鋭い戦術眼を持っており、試合の流れを呼んだ交代や状況に応じた戦術修正に優れているのも、日本代表には好材料だろう。
勝負にこだわる熱情でも有名であり、この点では日本代表に向いていると言えるだろう。
問題は、まず一点目として彼はここまでクラブチーム一筋で指導をしている点を上げる。
代表チームはクラブチームのように毎日の練習で戦術を植えつけるということは不可能であるだけに、そのノウハウのない彼がどこまで自身の志向するチームに仕立て上げられるのか未知数であることだ。
特に外国での指導が同じEU圏内のロシアのみというのも少々不安である。
その指導力、戦術眼は代表監督を任せるに足るものの、ノウハウの欠如と外国での経験不足の点で不安が残る為、日本サッカー協会の掲げる『ワールドカップ16強以上の経験を持つ』という部分に合致しないのが難点だろうか。
ただ、彼の攻撃的サッカーは、ザッケローニの掲げていたサッカーからの繋ぎという意味では合致している為、見てみたいチームではあるのだが。