90〗Stadion Balgarska Armia / ソフィア

あの日あの時は■1973年11月7日UEFAチャンピオンズカップ二回戦2ndレグ。スタディオン·バルガルスカ·アルミアは鮨詰め状態。大声援に応えて後半23分頭で決めたのはディミタル·マラシェリエフ:Dimitar Marashliev【1947年8月31日生-2018年7月12日没】。九十分を告げる笛の音が鳴り響き、勝負の行方は延長戦に。既に選手交代枠を二つ使っているアヤックスに対して我慢で不動のCSKAのマノール·マノロフ【1925年8月4日生-2008年12月16日没】監督。延長の十五分を過ぎたところでセンタ-フォワ-ドのマラシェリエフに代えてミッドフィルダ-のプラメン·ヤンコフ:Plamen Yankov【1951年5月23日生-2019年12月14日没】を投入する。すると十分後に二枚目のカ-ドをきった直後ヤンコフが決める采配的中劇的な幕切れ。
ヨーロッパサッカー界の歴史における驚嘆のサプライズの一つとして語り継がれることに。記憶に新しいところではジネディーヌ·ジダン:Zinddin Zidan【1972年6月23日生】率いるレアル·マドリードが2016年から2018年にかけて三連覇を達成し、四連覇を阻んだのはチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦で対戦したアヤックス。第二戦か行われたサンティアゴ·ベルナベウは悲鳴の連続。怒涛の四得点で引っくり返して白い巨人の進撃を止めた。写真はそのアヤックスのファイナル進出を阻んだトッテナムとの準決勝を報じる紙面はポ-ランド語。
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半世紀以上前、アヤックスを下したCSKAが準々決勝で対戦したのは大会を制するバイエルンミュンヘン。皇帝とジ-ザスのドラマは同年ミュンヘンでのワ-ルドカップ決勝へと紡がれる。

CSKAソフィアの胸には赤い星のエンブレム。小学生の頃=1970~73年に見たのは名優·三船敏郎のテレビCM。当時のサッポロビールのラベルでは北海道開拓使のシンボルである《北極星》が赤く輝いていた。黒ラベルが登場するのは、ベルリンの壁と共にブルガリアな共産党の独裁体制が崩壊した1989年。11月のソフィア市民による大規模なデモ行動が日本でも報じられた。共産主義や社会主義のシンボルマークである赤星から黒地に金星へ。デザイン一新の新商品が世界情勢の激変を予見していたならばおそるべしはサッポロビール社なり。〖第九十話了〗
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⏹️写真/テキスト:横澤悦孝 ⏹️モデル:Emilia