71〗Stadio Silvio Piola / ヴェルチェッリ

紙屑となったのはサンシ-ロのチケット 

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前回の続きになってしまうが、欧州のリーグでプレーする日本人が近年急増。十年前では考えられない悩みに遭遇する。二月にミラノ·マルペンサ空港に着陸。そのままリスボンへと移動した。UEFAチャンピオンズリ-グが今年から新フォ-マットを採用。ノックアウトフェーズのプレーオフ抽選会が行われた一月末日。どうせ取材するなら同胞の活躍を見たい。
しかし18日と19日に行われる第二戦リスボンで開催されるASモナコの試合とミラノでのロッテルダム·フェイエノールトの試合は共に18日の開催。
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バラける期待は叶わず、まずは撮影許可申請。結果としては直前にリスボンでの許可がおりて航空券も変更せず19日にミラノへと戻った。結局無駄になったのは保険をかける意味で友人に手配してもらったサンシーロのチケットのみ。三年ぶりとなるミラノ市内へと繰り出しての乾杯。北イタリア滞在時には必ずといっていいほどネッビオーロ種を堪能する。以前はレストランに一人でも入ったが、今はボトルを購入して宿へ。飲んだらすぐ眠くなるし今の為替レートでは飲食に無駄なお金をかけたくないのも本音。
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ネッビオーロとピノノワール どちらが美味い

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カバー写真はイル·ポッゾ·バルバレスコのボトル。トリノを州都とするピエモンテ州周辺が名産。フランスやスイスとの国境に面したヴァッレ·グオスタ州、人口では国内最大のロンバルディア州でも栽培されている。一昔前ネッビオーロ種の醸造はこの地域以外ではなかなかお目にかかれなかったはずが、最近はカリフォルニアや南アフリカで普通に栽培されている。但し同じ葡萄でも畑の地質や生産者の指向性によって味が大きく異なるからワインは趣深い。ネッビオーロはブルゴーニュのピノノワールと呼び名が違うだけで同じ品種の黒ぶどう。筆者の舌ではグラスを二つ並べられても「美味しいです」としか言葉が出てこない。

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ロンバルディアからピエモンテへ 親子二人旅 

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ヴェルチェッリ県はピエモンテ州の一部。但し県都ヴェルチェッリ市はトリノとミラノのほぼ中間に位置する。九年前に高校一年の息子と訪問した際は宿泊先のミラノへと戻った。駅南側ローマ広場から大通りコルソ·ジュゼッペ·ガルバルディを真っ直ぐ歩き左方向でセッテンブレ通りへ。腹が減ったというのでスーパーでチョコレートドーナッツを買う。当時チーズが苦手なのにイタリアに同行させるとは酷い父親である。それでもジェラードを始めスイーツ系には結構満足の様子。

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カマナ公園にまで来ると到手前のテルナ通り、奥のトリポリ通りのどちらを曲がるか迷ったがトリポリ通りを選んだことで微妙に遠回りだったと後になって気づく。この頃はガラケーしか持っておらず、息子のスマフォとタブレットのGoogleマップに頼っていた。
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まぎらわしいのは隣街にもスタディオ·シルヴィオ·ピオラ

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第71話はFCプロ·ヴェルチェッリの本拠地スタディオ·シルヴィオ·ピオラ。おそらく日本のサッカーファンであればこのスタジアム名を聞いて頭に浮かべるのはノヴァーラ市のスタジアムのほう。同市はピエモンテ州ではトリノに次ぐ第二の都市。但しトリノ、ミラノ、ジェノバの北イタリア三大都市に囲まれている中ではミラノが一番近い。森本貴幸:Takayuki Morimoto【1988年5月7日生】が五十五年ぶりにセリアA昇格を決めたノヴァーラ·カルチョに移籍したのは2011年。この時『クレヨンしんちゃん』の苗字のような都市があることを知った。
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