今回は、少々懐かしい写真を蔵=ハ-ドディスクから引っ張り出ししてみた。この作品を撮影したのは2009年。リリアンヌ·ヴェルテッセン:Liliane Vertessen【1952年生】の『シエル エ テール』。作者名をプレートを見たときには目を疑った。ベルギーのリンブルフ州にある小さな町レオポルトスブルク出身のヴェルテッセンをエロティックなポーズのセルフポートレート写真で知られるビジュアルアーティストとしか認識していなかった。
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ポーランドのワルシャワで生まれ育ったモニカ·ドロステ:Monica Droste【1958年生-1998没】は1986年からアントワープ在住のガイ·ロンバウツ:Guy Rombouts【1949年生】と一緒に作品を制作したア-ティスト。プライベートでもご夫婦の大規模な展覧会がアントワープ現代美術館=M HKAで企画されたのは1998年。開幕の前月癌罹患で鬼籍に入ったモニカ。哀しみに襲われたロンバウツではあったが中止することなく妻への追悼の意を表した。
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上写真も2009年の訪問時に訪問したM NKA館内。リニューアルオープンしたのは’17年4月。撮影当時は外観をもう少しなんとかしようよと思っていたが展示室はけし悪くない印象。
王宮トロ-ヌ広場からトロ-ヌ通りを南東に二キロほど歩くとロダン通りと名前はクロンヌ通りに変わり、オーギュスト·ロダン通りと交差する。パリに生まれた巨匠オーギュスト·ロダン:Auguste Rodin【1840年11月12日 生-1917年11月17日没】は1871年から’77年にかけてベルギーのブリュッセルに滞在したこの時期、職人から芸術家へと変貌を遂げる。
ベルギーで職人と言えば一目置かれる高貴なショコラティエ達。カバ-写真のGodivaなど、ベルギー王室御用達として王家の紋章を掲げるブランドは2024年現在僅かに八つ。
2015年サンドニが同時多発テロで混乱するほぼ同時刻、イタリアとベルギー代表の親善試合開始前、同競技場で三重年前に起きた「ヘイゼルの悲劇」を追悼するセレモニーが行われている。
80年代経済不況長引く英国。”鉄の女”マーガレット·サッチャー:Margaret Thatcher【1925年10月13日生-2013年4月8日没】首相の市場主義政策は母国のフットボールにも大きな影響を与えた。それは失業率の悪化に伴うフーリガンの増大。特に産業構造が転換する時流に乗り損ねたリヴァプールなど工業都市では職にあぶれた若年層の暴力事件は茶飯事。1985年5月29日ヘイゼルスタジアム(当時)のリヴァプール対ユヴェントス戦での惨劇。警官隊7七百人、軍隊千人を動員して暴動を鎮圧こそしたが、ベルギー警察の警備態勢に不手際があったとメディアは糾弾。ミラノでは英国系スクールに火炎瓶が投げ込まれ隣国フランスでも英国ナンバーの乗用車が破壊されるなど欧州各国に飛び火しメディアも反英感情を煽る中、遂に加害者国の女性首相は、国際大会への無期限出場停止を発表した。更に国内リーグを含めプロフットボールそのものを禁止しようとした暗黒の時代、今のプレミアリ-グ隆盛を誰が予想できただろうか。
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戦後日本の写真界を牽引した文化功労者、細江英公:Eikoh Hosoe【1933年3月18日生-2024年9月16日没】氏が逝去されたと昨(25)日報道された。