リーグ戦の前節マンチェスター・ユナイテッド戦でトビー・アルデルヴァイレルトも負傷離脱、更にはFAカップのイプスウィッチ戦前には中盤の要の一人であったモルガン・シュナイデルランが、更には試合中にもう一人の柱石であるヴィクター・ワニャマを負傷により戦線離脱と、ここ数試合で一気に主力が抜けたサウサンプトン。
苦しい戦いが予想された第22節、アウェイのニューカッスル戦であったが、戦前の予想をいい意味で裏切るものとなった。
スピードに長けた新加入のエリアを守備陣の裏へ積極的に狙わせ、シュートを狙っていた。
そのクーマン監督の戦術は当たり、見事にエリアが先制ゴールを鮮やかに奪ってみせた。
しかし、守備陣が交錯し跳ね返ったボールにたまたま居合わせたグフランに当たり、それがシュートとなってネットを揺らせてしまい、不運な形で失点してしまう。以前であれば、ここで崩れてしまったであろう光景であったが、ニューカッスルが不調な状態であったのが幸いし、絶好の得点機に決め切れなかった。
そのまま、前半は1−1で折り返しとなったが、サウサンプトンはHTで体制を立て直すことに成功した。
後半も前半序盤同様に積極的にエリアを走らせる戦術でニューカッスル守備陣を翻弄する。それがエリアの二得点目に繋がった。見事な裏抜けと個人技でもぎ取ったこの勝ち越しを最後まで守り抜き、勝ち点3を獲得、3位を死守することに成功した。
クーマン監督のチーム掌握術、戦術眼がズバリと当たった、会心の試合ではなかっただろうか?
層の薄いチームながら、ここまでの順位に導いていることがそれを証明しているだろう。
後は、主力が離脱するであろう4週間、5試合をどう乗り越えるか。
それを乗り切れれば、CL圏内でのフィニッシュは充分に可能だろう。
とはいえ、クーマン監督の苦闘はまだ当分続きそうだ。