―――発表日を把握していないなんて、全く意識してないのですか?
(千葉)「はい、全く。意識し過ぎると空回りしたり、硬くなってしまうので。また代表に入れるように、ひとつひとつ頑張って行きます。」
―――1年前に初めてなでしこジャパンに選出された時、「明日の朝に目が覚めたら、リストから自分の名前が消えていそう」と話されていました。その頃から代表には定着されました。ただ、3月のポルトガルでのアルガルベ杯から帰国後に、「1年前からの課題が改善されていない」と言葉にされていましたが、それはどんな課題なのですか?
(千葉)「プレー面では、前を向けるところで前を向いて仕掛けられていないところです。自分の性格的に内気なところがあって、前に進めないところがあるんで、それをもうちょっと積極的に仕掛けられたら良いな、と言い続けて1年が経ってしまいました。」
≪ASハリマ・アルビオン≫1部昇格は諦めていない!
千葉が頻繁に代表へ召集されるようになったのとは対照的に、所属するASハリマ・アルビオンは昨季のリーグカップを制しながら、リーグでは2年連続での7位で終えていた。
しかし、今季を迎えるにあたって、ハリマには攻撃陣に経験と実力を伴った即戦力となる新加入選手が揃った。昨年7月の加入以降でチームにフィットした独創性溢れるドリブラー=葛馬史奈(下記写真)が、今季は自身の持ち味を存分に出すことに成功。4連勝中の全試合で得点を決めるなど、ここ6試合で6得点を挙げ、チームのトップスコアラーとしてブレイクしている。
また、葛馬とは昨季途中までアンジュヴィオレ広島でチームメイトだったMF武田も今季からハリマに加入した。中盤の底から弾道の速い高精度のロングフィードを両足から繰り出す武田には、敵のサポーターも脱帽の声を上げるほどだ。
他にもトップ下として今季3得点を挙げながら前線でタメを作り、中盤のサポートもこなすなど、戦術理解力の高いMF虎尾直美。先発でも途中出場でもすぐにフィットしてチームへ貢献する献身的なFW内田美鈴が加入している。
自身の得点はまだ1点に止まっているが、「千葉+新戦力カルテット」で攻撃陣が構成されるため、千葉は新加入選手がフィットしやすくなるように黒子役に徹している感もある。チームは開幕直後こそ出遅れたが、新戦力がフィットして来た第5節のニッパツ横浜FCシーガールズ戦から4連勝を記録。一気に3位まで順位を上げた。(現在は4位)
しかもその全てが敵地での完封勝利だったことが特筆すべき事項だ。この日はC大阪堺Lに敗れたが、残り8試合のうち5試合をホームで戦えるのは昇格争いでも有利になるだろう。
―――今年のハリマには攻撃陣に新加入選手が揃っています。昨季途中加入のFW葛馬選手も加入から1年も経っていません。新加入の選手についてはどう思われていますか?
(千葉)「去年までのチームにはいないタイプのプレーヤーで、実力もあって必要な選手達です。」
―――チームの魅力も増して来て、色んなタイプの選手が入って来やすくなっているのでしょうか?
(千葉)「もちろん、私が直接声をかけるような事はないんですが、田渕径二監督の呼びかけだったり、ハリマのサッカーを観て、『チームに入りたい』と言う選手が増えているのは事実です。」
―――葛馬選手とは2015年のU23日本代表の合宿から一緒だったと思います。当時の葛馬選手はアンジュヴィオレ広島(現・チャレンジリーグ〔3部相当〕)に所属されていましたが、まさかチームメイトになるとは想像もしなかったですか?
(千葉)「はい、でも『一緒にプレーしたいな』とは言い合っていたんです。そんな話をしていたら、彼女が広島のチームで試合に出れなくなった時期と重なって、『何で出てないん?ハリマおいでよ!』なんて言っていたら、実現しました。(笑)」
―――アンジュヴィオレ広島からは、半年後にMF武田選手まで加入しました。
(千葉)「そうです。武田選手の両足からのロングフィードやシュートは男みたいですね。(笑)それから、(コノミヤ・スペランツァ大阪)高槻からMF虎尾(直美)選手が加入したのもチームにとって大きいですね。」
―――お仕事についてもお聞きしますが、月曜日から金曜日までのご出勤で、9時から17時ぐらいまでの勤務なのですか?
(千葉)「はい、9時から17時が定時なんですが、最近は7時半から17時半までが多いですね。私達は練習が18時半からあるので残業ができません。でも、それでは申し訳ないので、朝早くに出勤してシフト協力をしています。」
―――凄い!労働者の鏡です!お仕事は物流関係の職場だと伺いました。倉庫での管理業務などですか?
(千葉)「そうです。埃だらけになっています。」
―――え?作業員をされているんですか?ハンドリフト引っ張ったりとか?
(千葉)「そうです。荷物を運んだり、仕分けする業務をしています。」