今季のバルセロナの3冠へ続く道も、レアル・マドリーの昨季の”ラ・デシマ”(欧州チャンピオンズリーグ10度目の優勝の愛称)も、お金がないと出来ない快挙。チェルシーがいくらジョゼ・モウリーニョ監督が復帰2年目で隙のない強さを手にして国内2冠を達成しても・・・
etc….「結局、カネかよ?」で辟易しているサッカーファンがいるのにも納得です。
先週末、スペイン1部リーグのリーガ・エスパニョーラ最終節が行われ、今季初めて1部リーグに昇格してきたSDエイバルが来季の1部残留のため戦いました。バスク自治州のギプスコア州にある人口27000人のスモールタウンにあるスモールクラブは最終節をホームのイプルア・スタジアムで迎え、共に今季から1部リーグに昇格してきたコルドバ(前半戦は日本代表FWハ―フナー・マイクも所属)と対戦。見事に3-0で勝利して勝点を35に乗せ、「奇跡」の残留を決めた・・・かに思われましたが、2部リーグへの降格圏となる18位でこの試合をスタートしたエイバルに対して、16位でスタートしたデボルティボ・ラ・コルーニャがアウェイでの対戦で、すでにリーグ優勝を決めていたバルセロナ相手に2点を先行されながら後半に追いつき、同じ勝点35で並びました。
世界中の多くの国内リーグ戦では勝点で並ぶと得失点差で順位が決定するレギュレーション。エイバルは-21で、デポルは-25、同じく勝点35で並んだグラナダも-35でしたが、スペインでは得失点差よりも当該チーム間の直接対戦での成績が優先されるため、エイバルが18位となって降格してしまいました。
デポル、グラナダ、エイバル直接対決
デボル(16位) 2勝1分1敗 6得点4失点
グラナダ(17位) 1勝3分 5得点4失点
エイバル(18位) 2分2敗 1得点4失点
3冠達成の道を走り、この日はホームで最終節を迎えたバルサはこの試合の後に優勝セレモニーも控えるユルユルの弛緩した状態で後半に追いつかれたわけですが、エイバルからすれば怒りたくなるくらいです。「結局、カネか?」をひっくり返せなかった残念さも感じましたが、せっかくですから、このエイバルの「奇跡の1年」を簡単に振り返ってご紹介。