100〗Red Bull Arena / ザルツブルク


◆◆◆◆◆

ここまでの百話を振り返ってみるとUEFA加盟五十五地域のうち、三十五ヵ国の九十九〈アルクマールが二回続けているので〉の蹴球場名が並んでいる。実際に欧州各地を周り百試合以上取材しているのだが、今のところ試合を取材したスタディオンを回想しているのは僅か十九ヵ国で三十一試合。ドイツやオランダで撮影したスタディオンがひとつも登場していないことには本人が驚いている。一方外観だけ撮影して中に入っていない国がひとつ。第73話のベラルーシ。国境で入国拒否された間抜けぶりを本文に記した。何が言いたいかと言うとここまでの連載の七割の内観は試合のない日にせっせと足を運んで撮影させていただいたもの。オフ日に施錠された建物にどうやって入っているのかと問われれば、そこは蛇の道は蛇。書ける話と書けない話もあってそれもまた面白い。撮影を手短かに済ませ関係者に礼を述べ立ち去る前の儀式がライン際のピッチに足をのせて芝生の感触を確かめること。
なので自称「欧州で最も数多くのスタジアムのピッチを踏んでいる日本人」であることは嘘ではないし根拠が無くはない。
◇◇◇◇◇


◆◆◆◆◆

カナダ戦でフィニッシュこそ不満は残るが、オフ·ザ·ボールの動きとハードワークで貢献度を高く評価した森保一:Hajime moriyasu【1968年8月23日生】監督は、この二年間攻撃の軸に南野を据えてきた。日本代表にとっては大きな痛手ではあるが、実は代表に関しては然程心配していない。席がひとつ空いたのだから年明けからチャンスと捉えて飛躍するプレーヤーが台頭するはず。それよりも今は南野の順調な回復を願うばかり。願いを込めて最後の写真は十年前にウィーンで撮影したシュートシ-ンで百話を締め括ることにした。〖第百話了〗
◇◇◇◇◇


◆◆◆◆◆

⏹️写真/テキスト:横澤悦孝  ⏹️モデル:中村美香子