経営難に直面し、選手の給料はおろか遠征費すら捻出できない状態にまで陥っていたイタリア、セリエAの名門、パルマだが、遂に裁判所より破産宣告を受けた。
これにより、来シーズン降格した場合、セリエBではなくセリエDかセリエE、エッチェッレンツァからのスタートになるのはほぼ間違いないだろう。
というのも、セリエBに登録する為には、チームは今年6月までに7500万ユーロを支払わねばならない。
現在のチームにとって、それは不可能であろう。
1990年代、地元の食品会社であるパルマラットに買収され、一気に強豪への道を上っていったチームだったが、2003年のパルマラットの破産により、チームは存続の危機に直面するも、トンマーゾ・ギラルディ会長がチームを買収して以降は持ち直し、再び栄光の日々が訪れるかに思われたが、昨シーズンに6位に滑り込んだにも関わらず、所得税の納付遅れを理由にチームへのUEFAライセンス配給拒否をされたのが、転落への第一歩となってしまった。
この責任をとって、ギラルディ会長はチームを離れるも売却先がなかなか見つからず、やっと見つかった相手は、実は国際的詐欺組織であった疑いが強かった。
チームはマネーロンダリングの隠れ蓑にされたあげく、遂に破産まで追い込まれたのだ。
パルマラットの破産の時点で、チームの命運はもはやなかったのだろう。
ギラルディ氏は本来ならば赤字経営になっていたチームを選手の空売り、空買いを行う一種の粉飾決算で命脈を保たせていた。
結局、その帳簿上の帳尻あわせをつけられなくなったツケを、自分で吹くことなく逃げ切っただけの話である。
ある意味、スポーツビジネスの闇の一端が表に出た事件といえるだけに、イタリア検察庁が動いたのも当然の話だ。
スコットランドのレンジャーズのように、また一からのスタートとなるが、再びセリエAへと舞い戻る日が来る日を首を長くして待つこととしよう。