Foot ball Drunker〔142〕visiting 『Lotto Park』ブリュッセル / ベルギー

ベルギー敗戦の衝撃も グループE大混戦に決着

◇◇◇◇

UEFA欧州選手権:EURO2024グループステージが終了。全チームが同勝ち点で並んだのはグループE。初戦でスロバキア代表がベルギー代表を打ち負かす番狂わせ。いきなり崖っぷちのレッドデビルズはスターティングメンバー四名を変更してルーマニア代表との試合に臨んだ。この人選が的中、ユーリ·ティーレマンス:Youri Tielemans【1997年5月7日生】の右足が火を吹き先制。キャップ数155の最多記録を更新したヤン·フェルトンゲン:Jan Bert Lieve Vertonghen【1987年4月24日生】も期待に応え続くウクライナ戦と連続無失点に貢献。


◆◆◆◆

フェルトンゲンは現在RSCアンデルレヒトに籍を置く。第141話はアンデルレヒトの本拠地ロトパーク。2019年3月ベルギーの国営宝くじ企業Loterie Nationaleがネーミングライツスを取得。改称された翌シーズンより古巣アンデルレヒトに選手兼監督として帰還したのがヴァンサン·コンパニ:Vincent Kompany【1986年4月10日生】。
まずはこの二人に日本でもプレーしたトーマス·フェルマーレン:Thomas Vermaelen【1985年11月14日生を加えた豪華スリーショット。マンチェスターシティ、アーセナル、トッテムとプレミアリーグを代表するディフェンダーが顔を揃えたベルギー黄金世代の最終ライン。

2003年にオランダへと国境を越えアヤックスでその才能に磨きをかける。母国の強豪と初めて顔をあわせたのはUEFA杯からリニューアルした第1回目のUEFAヨーロッパリーグ。2009年10月1日。当時のスタジアム名は元会長に敬意を表してコンスタント·ヴァンデン·ストック。23000人満員札止めの試合は1-1のドロー。12月の再戦では16歳のロメル·ルカク:Romelu Lukaku【1993年5月13日生】に2ゴールを許しグループ首位の座を奪われたから苦笑するしかない。前年の北京五輪世代にまた一人逸材が頭角を現し、ベルギー代表への国民の期待は高まる一方。


◆◆◆◆

濃紫色のユニフォームをファインダーに収めたのはそれから四ヵ月後。アヤックス主催のU17ユース国際大会AEGONフューチャーカップにアンデルレヒトU17も招待されていた。
ACミランやバルセロナ、バイエルンにリヴァプールと各国ビッグクラブの同世代の才能が一同に集結。個々のタレントと組織戦術両面で優勝したアヤックスの若者達が頭ひとつ抜けていた印象。
アンデルレヒトに目星い選手がいなかったわけでもない。モロッコ系のメフディ·タルフィ:Mehdi Tarfi【1993年7月5日生】は典型的な10番タイプ。’12年にアンデルレヒトとプロ契約。12-13シーズンをリザーブ=U21で過ごして、13-14シーズンの開幕後にズルテ·ワレヘムへとレンタルされると19歳にしてU21代表に招集されている。しかし16年から20年まで三部リーグでプレー。現在は二部のリールセに所属している。

ディフェンダーではブリュッセル出身のヨナタン·フェルヴォート:Jonathan Vervoort【93年8月13日】。肌の色が一人だけ異なれば言うまでもなくコンゴ系のベルギー人。センターバックなので気の早い輩はコンパ二世などと期待していたが本人からすればかなり重荷。実際2013年7月にシャルルロワでトップリーグデビューを果たしたものの近年は四部=アマチュアに身を置き現在も浪人中。