9月に冬の装いで飲むビール
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かつて旧ソ連邦に属していたがゆえに東欧に分類されてきたバルト三国だが、近年スカンジナビアの国々と並んで北欧の括りに。13〜15世紀の領土は黒海沿岸まで広がるリトアニアは欧州最大の大公国。とはいってもバルト系民族の人口は当時から少なく圧倒的に東スラブ系が独自の文化を保っていた。
首都ヴィリニュスを訪問したのは2019年9月。それでもご婦人達の装いは現在師走の東京と変わらない。
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東欧ポーランドまでは我慢出来たが、国境を越えて堪らず防寒着を購入。紙幣はユーロに換わり物価も高め、ワルシャワで購入するべきだったか。
リトアニアで愛飲されるビールの質、量は相当なもの。
11世紀末、ビール造り発祥の地とされるのが北部の都市ビルジャイ。
寒さなどお構いなし、瓶と缶を昼間から抱えるおばさん達は何者か。この国の女性は、ワインよりもビールを好むとのこと。
一昨年台湾でのリトアニアビールの一大ブームは感染者数急増時、ワクチン無償提供への謝意により起こった現象だが、美味くなければ買うはずもない。
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種類も豊富で迷ったがカゴに入れたのは清々しいサックスブルーのパッケージ。1784年クライペダで創業したのシュヴィトゥリス社のヘフェヴァイツェン。ヘフェのとはドイツ語で酵母の意味。
ドイツ以外の欧州で酵母をろ過かしていない白ビールを飲んだのは初めて。歴史的に関わりの深い両国ではあるが、昔からリトアニアでは大麦だけでなく小麦やライ麦を原料に使用していた。
そういえば主食は、ちょっと苦手なライ麦パン。
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伝統的な農場醸造が今でも存在しており最近のクラフトビールブームで個人の醸造家も増えている。筆者のような朝と晩にも国境を超える弾丸スタジアム巡りではなく、じっくり滞在されて是非個性豊かな地ビールを堪能していただきたい。
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収容数5千人が語るリトアニアのフットボール人気
第61話はヴィリニュスにあるLFFスタディオナス。緑の壁面には代表ユニフォームで目にしたエンブレム。
6.5万平方キロの国土に、静岡県より少ないが茨城県には勝っている人口。協会が所有するLFFスタディオナスの収容人数は5,422人。FKジャルギリス·ヴィリニュスと昨年のUEFAネイションズリーグまでは代表チームのホームゲームで使用されていた。この国で人気がある競技はバスケットボール。1万人規模のアリーナでも満員になるが、確かに冬場はインドアスポーツに限る。
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