この写真を撮影したのは2017年で間違いない。室内塗装資材メーカーのHET社がリーグスポンサーに名乗りをあげたのは後にも先にもこの時だけ。バスの後ろにこれでもかと宣伝が施されている。前年のシーズンは八年ぶりとなる国内制覇をスラヴィア·プラハが成し遂げた。三連覇を阻まれ二位はヴィクトリア·プルゼニ。そしてカップ戦ウィナーのズリーンが欧州の戦いに駒を進める快挙。しかしスラヴィアが UEFA チャンピオンズリーグ(CL)プレーオフでキプロスのAPOELに敗退してしまう失態を演じる。結果ヨーロッパリーグ(EL)にチェコからは三チームがグループステージにエントリ-。ズリーンにすれば2005年のインタートトカップ以来十二年ぶりとなる欧州での晴れ舞台。人口八万人の小都市のクラブ。最下位でもその戦力を鑑みるならば誰も文句は言えない健闘だった。
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ピッチサイドで隣さんが着ているフォトグラファー用のビブス。ロゴマークの上に小さく2015/18と記されているのがこの写真で伝わるだろうか。きっとこのシーズンでロゴのデザインを変更するのかと思っていたが、翌年は変わらず。’21-22にロゴデザインのトロフィーが左右対称の直線志向に変わったのだが、これが、美しくない。前のほうがよかったと思っていたらやはり不評だったのか昨シーズン変更された。トロフィーにVの字が入ったものに。カンファレンスリーグとの差別化を図りたいから直線的になるのは致し方無し。それでも前よりはいくらかまマシ。
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コロコロ名前が変わるのはキャバ嬢の源氏名だけでよい
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ズリーンはクラブ名が変るたびにエンブレムも刷新していた。勤め先が変わるたび名前が変わるキャバ嬢なら兎も角、ファン·サポーターからすると変わり過ぎるのも如何なものかと。
スタジアムはレトナーではUEFAの基準を満たしていないからオロモウツのアンドルーヴを使用。これは然程珍しい事ではない。ちょっとしたハプニングが第三節。デンマークの強豪FCコペンハーゲンを迎えての試合。後半途中に濃霧による一時中断はかなり珍しい。結局再開されてドロー。ズリーンは貴重な勝ち点一を獲得したのだが、この蹴球場は普通に市の中心部にある。
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あの日あの時は■2017年9月23日 HETリガ第8節 FCファスタフ·ズリーン対スラヴィア·プラハ。前節首位プルゼニにアウェーで敗れた(スコアは1-2)ズリーンにとって試練の三連戦。この試合の後にはモスクワでのロコモティフ戦も控えている。観衆が五千五百人を超えたのは四月(23 節)のオストラヴァ戦とこのシーズンでは二試合のみ。注目度は高し
スラヴィアで気になるのは左ウィンガーのミロスラフ·ストッフ:Miroslav Stoch【1989年10月19日生】。写真は翌年プラハでのUEFAネーションズリーグ。スロバキア代表の九番は普段自身のホーム、勝手知ったるスタジアムながらこの日ばかりはアウェーのプレーヤーとしてブーイングを浴びる羽目に。’16年に在籍したトルコのフェネルバフチェでは出番に恵まれておらず新天地スラヴィアへ。前節のスパルタとのダービーではプレースキッカーを任され先制点をアシストし勝利に貢献したから要注意。
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スラヴィアと互角のドロ-から六年 残留ならず
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一方のホームチームではルーカス·ジェレズニク:Lukas Zeleznik【1990年6月18日生】。15-16 シーズンの冬にズリーンからスラヴィアへ移籍。しかし戦力外でムラダー·ボレスラフへ。スラヴィアでの出場は九試合のみ。古巣相手に成長を証明したい七十七番がツートップの一角に。そして欧州での戦いを想定して獲得したのがペトル·イラーチェク: Peter【1986年3月2日生】。
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