102〗Ivan Laljak-Ivić Stadium / ザプレシッチ

欧州でも変わり続ける日本人のイメージ

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インターネット時代の夜明け前、日本ではリアルタイムの情報が入手できない頃、欧州のTVニュースでは国連·明石氏のザグレブでの映像が流れていたことを後年知った。GDPランキングではインにも抜かれ五位に後退した日本。’90年代半ばひとりあたりのGDPが世界2位ならば防衛費予算も世界2位。しかし「金は出しても手は汚さない」火の粉は被らないのがジャパニーズ。ザグレブからサラエボへと一貫して中立の立場で和平調停に向けて奔走した明石氏は欧州における日本人のイメージを大きく変えた。長束氏自身、巻末では日本人がプレーしたことのないリーグのほうが珍しくなったと記している。
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実際UEFAチャンピオンズリーグの華やかな舞台と凡そかけ離れた旧東欧諸国のリーグに、リスクも顧みず果敢に挑む若者達が間断なく続き日本人のイメージも変わりつつある。十代のシェリフサポーター達はディナモサポーターの東洋人に面食らうが、ディナモはフーリガンだからと優しく忠告する長束氏の何とも日本人らしいエピソード。ちなみに名前はバッド·ブルー·ボーイズだが、彼らがアウェ-にやってくればフィールドはこんな風に真っ赤な状態。投げ込まれる発煙筒の数は一桁ではおさまらない。
そのFCシェリフ·ティラスポリで昨年四月までコ-チ職に就いていたミリッチの足取りがその後掴めていないが現在三十歳。ご活躍とご健勝を東洋の島国から祈りたい。〖第百一話了〗
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⏹️写真/テキスト:横澤悦孝 ⏹️モデル:山木亜沙美