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グアルディオラが抱える秘密〜名将と呼ばれた2年間〜後編

どんな監督にも終焉はあり、1つのクラブで結果を出し続ける事は限りなく難しいミッションだ。現代の名将と呼ばれる監督陣も2〜4年のスパンで仕事先を変えており、チームをリフレッシュさせるためにも指揮官の交代は必要不可欠ともいえる。

グアルディオラは14−15シーズンでバイエルンを率いて2年目となり、契約上は残り1年となっている。会見では何度も残留すると明言しているが、最近は元バイエルン会長のベッケンバウアーや長年バイエルンで活躍したマテウスが公然とグアルディオラ批判を展開するようになっており、内部事情はどこかきな臭い。
それに目を付けた各クラブがグアルディオラ招聘に動き出しており、噂ではシティとミランがオファーを出すと伝えられている。グアルディオラがバイエルンに残るにせよ、新たな仕事先を求めるにせよ、来季は彼の監督人生を大きく左右する1年となる。

☆2年目が最も強いというセオリーは?

2〜3年のスパンで仕事先を変える指揮官として有名なのがジョゼ・モウリーニョだ。彼はあらゆるクラブで結果を残してきたが、1つのクラブに長く留まった事は1度も無い。「チームは3年が賞味期限」と常々口にしており、4年目からはチームにマンネリ感が生まれるのだという。
そして彼はこうも口にする。「私の率いるチームは2年目が強い」。つまり1年目に自身の哲学をチームに落とし込み、それが実を結ぶ2年目は万全の状態で開幕を迎えられるという事だ。彼が率いたチームの多くは2年目に結果を残しており、インテルでの3冠、今季のチェルシー2冠も全て2年目だ。
しかしグアルディオラの2年目はどうだったか。哲学の落とし込みには成功したかもしれないが、それが結果に結びつかなかった。シーズン終盤にはチームのモチベーション低下も囁かれ、1年目よりも内容は悪くなったと言っていい。

結果が出なければ選手は監督に不信感を抱き、来季も同じことを継続するのかとウンザリする事もあるだろう。現にモウリーニョも、レアルを去る事になった3年目のシーズン終盤に選手との関係を大きく乱してしまっている。
ここからチームの士気を再浮上させるのは難しい行為であり、優秀なモチベーターであるグアルディオラでも修復に苦労するだろう。バイエルンとグアルディオラの間には1年の契約が残っているが、来季も指揮を執るのであれば双方共にストレスの溜まる1年になるかもしれない。

仮にバイエルン側が今季の内容に満足せず、グアルディオラの解任に踏み切った場合は物語が大きく動く事になる。前編でも述べた通り、グアルディオラの哲学は実に特殊だ。彼の考えは他の指揮官には理解しがたく、スタイルを踏襲するのは不可能に近い。
しかし1年目にガラリとスタイルを変えるのは難しく、それによって大失敗したケースを我々は何度も目にしている。バイエルンほどのクラブであれば名将と呼ばれる人物を招聘するだろうが、名将であればあるほど1年目での大転換が危険なものである事を理解しているはずだ。
当然1年目に結果を残せなければクラブからの目は厳しくなり、サポーターも黙ってはいない。グアルディオラがバルサで残してきた結果があるからこそサポーターも不満を公にしないだけで、なかなかゴールが奪えない現状にイライラを募らせている者も多いだろう。新指揮官はそれらの不満を浴びせかけられるかもしれない。

そして現在グアルディオラにはシティとミランの2クラブがコンタクトを取ってきたと噂されている。あくまで噂の段階であり、この手のニュースに信憑性を見出すのは難しい。しかし、何もなければこんな話は沸いてこない訳で、グアルディオラの身辺が騒がしくなっているのは間違いない。
では、グアルディオラがバイエルンを離れる場合、新天地にどこを選ぶだろうか。私はこの選択に強い関心を持っている。というのも、どこのクラブに行こうともグアルディオラには茨の道しか待っていないからだ。

☆3年目は茨の道しか待っていない