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自分達らしさを取り戻しての大逆転勝利でのタイトル獲得

しかし、今野が復帰した柏レイソル戦では相手の3バックに対して広島相手に大成功したダイヤモンド型の中盤を採用するも大失敗。采配の迷いが生じた終盤に決勝点を奪われるなど長谷川健太監督が策に溺れる形で連勝がストップしました。ただし、その直後に行われたFC東京戦では、日本代表へ4選手を輩出する強豪相手にシュート17本を放って攻撃的なゲームで勝利し、連敗という流れは阻止。それでも、その後のベガルタ仙台でも相手にペースを握られてのドローを経てこのナビスコ決勝を迎えました。

そして、このナビスコカップ決勝では3バックを採用する広島に9月の天皇杯とリーグ戦の連戦で連勝を果たした中盤ダイヤモンドを採用して定番のアンカー=明神が先発起用。すでに柏相手に攻略されており、広島も十分に研究しているであろう懸念がある中でスタートしました。

【サンフレッチェ広島~経済危機と減資を乗り越えたリーグ連覇】 〜過渡期を過ごしながら決して悪くないシーズンを過ごす

広島は現在J1リーグ8位で昨季まで2連覇していたリーグ優勝の可能性が消滅。すでに天皇杯でもガンバの前に敗れており、唯一のタイトル獲得の可能性があるこの一戦へ向けて十二分に準備してきたと見られます。

リーグ2連覇したチームから今季は日本代表GK西川周作が浦和レッズへ移籍。仙台から日本代表経験のあるGK林卓人を獲得したものの、西川の穴はシュートストップ以外にもビルドアップでの安定感の低下など多岐に渡っています。逆に西川が移籍した浦和が首位を快走している事実が彼の存在感の大きさを際立たせています。

また、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督が指揮した2008年のJ2リーグでのシーズンから現在のチームの骨格が固まっており、主力選手の高齢化もあって世代交代は強化の大きなテーマ。夏場には負傷者が続出。一時は絶対的エースFW佐藤寿人、日本代表DF塩谷司、GK林などを先発から外して、大卒新人FW皆川佑介、ユース出身の大卒MF茶島雄介、U21代表の主力MF野津田岳人、18歳のDF宮原和也を抜擢するなど新陳代謝を図った上でリーグ戦は低迷したものの、ACLはラウンド16で優勝したウエスタン・シドニー相手にアウェイゴール差による惜敗という健闘。ナビスコカップは決勝進出と奮闘し、決して悪くないシーズンを過ごして来ました。
その新陳代謝を図った夏場を乗り越え、リーグ連覇メンバーと若手の融合を経た競争力を保った上で再び調子を取り戻し、先発復帰したFW佐藤は11年連続のリーグ戦二桁ゴールという前人未到の記録を達成しています。

【マッチレポート】 〜1つ覚えの中盤ダイヤモンドは機能不全

試合はキックオフからガンバのダイヤモンド型MFの布陣に対するのが3度目となった広島がしっかりとした対策を準備。相手陣内からハイプレスを敢行した広島が主導権を握る展開に。開始5分以内にハーフチャンスが3回ほどあり、スローインからの右クロスに合わせた佐藤のヘッドがポストに当たる場面もあり、ガンバは完全に受身に回りました。

次第に広島のプレッシングもいなすようになってきたガンバはボールを持つものの、割り切ってラインを引いてブロックを作った広島の守備を崩す策どころかアタッキングサードに人数をかける数が少なく中途半端なポゼッションに。
そうこうしていると18分、広島のバイタルエリアでのパス交換についていけなかった岩下が石原にボールを浮かして交わそうとされた瞬間にハンドを犯してPK献上。
20分に佐藤がPKをGK東口に読まれて手を弾きながらもネットを揺らしてて広島が先制。1-0。決めた佐藤はナビスコカップの通算得点記録を最多とする27得点目のメモリアルゴールに。

この劣勢と攻撃にかける人数も運動量も少なかった前半にたった1人だけバイタルエリアやぺナルティエリアへ突っ込んではフィニッシュに持ち込む選手が1人いました。その名はアベシャビン!!27分に遠藤とのワンツーでエリア内に侵入して惜しいシュートを放つと、33分には右サイドから宇佐美が仕掛けてバイタルでつぶされて相手ボールになるも、そのイーブンボールを一瞬の嗅覚でさらってシュートまで持ち込む!!日本代表DF塩谷のブロックでゴールはならなかったものの、この日のアベシャビンのプレーはアイデアに乏しかった前半のガンバを活気付けました。
すると、この時間帯から監督の指示かピッチでの選手間の判断か、中盤の構成を流動的に変化させ、ダブルボランチや、阿部を3トップ気味に使うなどして徐々に広島守備陣を攻略しにかかりました。

しかし、35分には左からのアーリークロスを中央でDF岩下がなんとクリアミス?トラップミス?とも言えぬ相手への見事なアシストでゴール前にボールを落としてしまい、詰めた石原のシュートはGK東口のセーブで防ぐも、こぼれ球を佐藤が冷静に流し込んで2-0とリードを拡げられます。

それでも38分、左サイドのギャップで受けた遠藤がDF1人を交わして最高級のクロス。コレをパトリックが戻りながらの体勢で巧み且つ強いヘディングシュートでGKの上を抜いてネットを揺さぶり2-1と1点差に。

この後はリードをキープしてハーフタイムに入りたい広島と、1点差で落ち着かせて後半勝負に出たいガンバ双方の思惑が一致していったん落ち着いた展開となり、前半は2-1と広島リードで終了。ただし、パトリックの追撃ゴールは非常に大きかった1点でした。

大森投入で”らしさ”追求し、ガンバらしい大逆転勝利で優勝!

ガンバは後半開始から機能不全だった中盤にメスを入れ、明神に替えてリーグ戦で2試合連続ゴール中のMF大森を投入。通常の中盤ボックス型の4-4-2へシフトして後半をスタート。
すると、投入された大森が左サイドで起点を作ってくれることで、起点・守備ブロック・プレッシング・3人目の動きなど全てを1人でこなしていた阿部の負担が激減し、鋭い得点感覚も持つ彼がゴール前へ入って行く回数が増えました。

50分にはDFライン裏へのアバウトばパスを受けたパトリックが、反転しながら大きなストライドを活かして相手DFをシュート体勢に近づけずに鋭いシュートを放ったり、直後には阿部が遠藤からのパスからシュートを放つなど完全に主導権を握ったガンバ。
そして、54分、左サイドで宇佐美がドリブルからゴール前のスペースへ出すような超絶クロス。阿部がマークを引き連れてニアサイドで囮になって出来たゴール前のスペースへパトリックが飛び込み、ダイビングヘッドでゴールネットを揺らして2-2の同点に。

67分には大森が左サイドからドリブルで仕掛け、その外側を宇佐美が追い越してパスを受け、ごゴールライン際まで突破して中央のパトリックへ速いグランダーの折り返し。しかし、合わせるだけのパトリックのシュートは難易度が高い上へ外れて逆転ならず。
それでも71分、広島MF山岸が負傷で倒れ込む中でプレーが継続され、ガンバが一気にゴール前まで攻め上がる。山岸不在で左サイドをケアしていた隙をついて中央の守備が手薄となり、阿部と遠藤が持ち上がってエリア内のパトリックのポストプレーを使い、このギャップにまたしてもアベシャビンが姿を現して決定的なシュート。GKの好守に阻まれるも、ゴール前で跳ねたこぼれ球に詰めていた大森が電光石火の反応で頭で押し込み、2-3と大逆転となる値千金のゴールを決まる!!