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ドルトムントVSヴォルフスブルク 〜クロップ、最後のDFBポカール〜

 この試合でもシュート数・決定機の数ではドルトムントも負けていなかったが、それもクロップが攻撃的な姿勢を貫いたからだろう。決めきれなかったのは不運だったが、その展開こそが今季の戦いぶりを物語っているようにも感じた。

☆不用意な失点が続いたシーズン

 ヴォルフスブルクの攻撃には勢いがあったが、1失点目のFKと3点目のドストのヘディングシュートはあまりに簡単だった。GKのランゲラクはナウドのFKを真正面にはじいてしまい、グスタヴォにも誰1人マークは付いていなかった。不運な部分もあったが、決勝とは思えない軽さだった。
 3点目はドストへのくさびのパスから簡単に右サイドで1対1を作られ、ペリシッチのクロスにドストがフリーで合わせたもの。ドルトムントがPA内で数的優位を確保していたにもかかわらず、スボティッチが簡単にドストのマークを外してしまっていた。まさに今季のドルトムントを象徴するようなミスであり、最後まで改善される事はなかった。

 不用意な失点が目立った今季だが、DFラインの質が悪い訳では無い。スボティッチとフンメルスは長くコンビを組んでいるし、シュメルツァー、ピシュチェク、パパスタソプーロスと代表クラスの選手が揃う。ただ、やはりすべての出発点はプレスが機能不全に陥ったところからだと感じる。

 クロップが就任してから3年目、香川が加入して1年目の10−11シーズンは得点80、失点25と圧倒的な数字でリーグ優勝を果たした。しかし今季は得点47、失点は42.失点のみならず、得点数も半分ほど落ちている。

 やはりサッカーは攻守一体であり、ゲーゲンプレッシングの機能不全が攻守に響く結果となった。

 ゲッツェやレヴァンドフスキをはじめとする主力の移籍によってチーム力を維持しにくくなったものの、それでもブンデスリーガの強豪としての立ち位置を守ったクロップはやはり敏腕だったといえる。スタイルを複数持つタイプの監督では無かったが、ドルトムントで残した功績はやはり伝説だ。

 7年間を振り返ったとき、明らかに成功体験の方が多く、数々の若手を代表の主力へと成長させた育成力も見事だった。香川を日本のエースへと進化させてくれた事も、日本人として心から感謝したい。

 クロップの新たな仕事場はナポリ、リヴァプール、トルコなど色々と噂が立っているが、今のところ噂に上がっているチームは彼にとって悪くない。ゲーゲンプレッシングとはいかずとも、彼の哲学に見合うクラブが名乗りを上げていると思う。

 ドルトムントで成功したから他のクラブでも成功できるとは限らないが、再びクロップのラッシュ&アタックが見られる事を楽しみにしている。