クリスティアーノ・ロナウドがクラブ批判ともとれる発言をしたことが欧州で大きな話題となった。
マドリーは今夏、W杯で一躍名をあげたハメス・ロドリゲスを始め、トニー・クロースらを多額の金で獲得。
一方、シャビ・アロンソやディマリアなどを放出している。このことにロナウドは、
「自分だったらこんなことはしないだろう」、
といった発言をしていたのだ。
確かにロナウドの気持ちはよくわかる。アロンソは経験に裏打ちされたプレイ、そして精神性でチームを支えてきた。ディマリアはロナウドの反対側のサイドから、キレのあるドリブルで敵陣を切り崩してきた。ロナウドへのボール配給も素晴らしく、このエースの活躍にも彼の存在が大きく寄与している。これは昨夏アーセナルへと旅立ったメスト・エジルも同様だろう。レアルマドリードでは、ロナウドを取り巻く大きな存在が、コロコロと顔ぶれを変えているのである。
これに不満や不信感のようなものを抱くのは当然といえる。いくら独力でゲームの流れを変えることもできるロナウドとはいっても、常に一人で勝ちを狙えるわけではない。当然、脅威である彼に敵チームからの執拗なマークがつくのは当たり前。そうなれば周囲との連係なくして、彼の満足のいくプレイはできないだろう。
だが、レアルマドリードのような、ブランド的に優れ、資金力も兼ね備えるクラブであれば、選手の入れ替えが頻繁に行われるのは仕方ないともいえる。クラブは常に強者を求め、勝ち点だけでなく、フロントへ利益も出してくれる選手を必要としている。まさに今回のハメスなんかがそうだ。彼のユニフォームはあっという間に売れ、獲得にかかった資金を自分で回収しているかのような収益を既にもたらしている。
昨季に続きロナウドが今季も活躍できることを期待したい。周囲の味方との素晴らしい連係をみたいものだ。しかし、新加入の選手が良い働きをみせられなければ、ロナウドの指摘は正しかったことになる。
ハメス、クロースらの活躍に期待したい。