そんなマスチェラーノ(身長174cm)と今野(同178cm)の比較ですが、個人能力ではテクニック面でも対人の強さや身体能力面でも今野が勝っていると思います。遠藤VSシャビ、宇佐美VSネイマールの純粋な個人能力面ではガンバ側が劣っていると思っていますが、今野は勝っていると。でも総合的には他のガンバ側2人よりも劣っていると思っています。
それが上記の発言内容の差であり、主将であってもなくてもリーダーシップを発揮できるかどうかの差、自分の能力をチームのチカラとして発揮させられるかどうか、という差で大きくマスチェラーノに軍配が上がる理由だと思っています。
宇佐美が「才能を発揮しきれてない意味でもったいない選手」と言われる事が多いですが、マスチェラーノ以上の能力を持つのに、それを試合で活かせない今野の方がもっと「もったいない選手」だと僕は常々思っています。
こうした視点で観ているからこそ、当コラムでも
「今野泰幸を”守備戦術の国”イタリアのサッカー用語を使って正しく評価する」(https://soccerlture.com/evaluate_konno_from_italy_style/)
を執筆した次第です。
決して嫌いだから書けるような記事ではなく、世界に対して勝負する意味での厳しさの欠如を追求する事と、今野泰幸の本当の凄さを見過ごされがちだからこそ書いた記事なのです。
そして、上記の3選手同士の比較を厳しいと感じている間は日本代表がW杯でベスト8以上を狙うことはないでしょう。
日本がグループリーグを2位で通過した場合は、各組1位通過の国と対戦する事になりますが、その国というのが、彼等3人の母国であるスペインやアルゼンチン、ブラジルになるからです。その対戦相手の同世代の同ポジションの選手に対して見劣りしていることは、もう試合前から負けているといって過言ではありません。
セレッソのJ2降格とフォルランの処遇についての見解
そして、似たような意味合いで例として挙げたいのが、先週末にJ2降格が決定したセレッソ大阪とベンチになったディエゴ・フォルランへの視線。
セレッソ大阪がJ2降格に至って、フォルランをベンチ外にしている事を批判するような報道や記事が多いですが、今のフォルランはセレッソで試合出場に値しない選手であることはアイドル目線で観ていると揶揄された”セレ女”が観ていても明白。確かにシュート力は宇佐美以上でJリーグの選手の中ではナンバーワンでしょうが、パスの出し手が向いている方向とは違う場所に走り込んで自分のマーカーでパスコースもないのにパスを要求し、出て来なければ激昂し、動き直すことをしない選手はセレッソであろうとガンバであろうと試合出場には値しない。
もしレヴィ―クルピ監督(アトレチコ・ミネイロと契約延長決定でヴィッセル神戸への話は流れたか?)が今季も指揮を執っていたとしてもフォルランを使わないだろうし、むしろクルピと梶野智前強化部長が揃って退任に至ったのも、社長が強化部を無視し、独断でフォルラン獲得に至った経緯ですれ違いがあった、と考えるのが僕の考えです。
ホーム最終戦、その梶野さんはゴール裏から帰宅していくのを目撃されています。あれだけセレッソに貢献してきた人物が試合観戦を招待されていないとは・・・・何と寂しい瑣末でしょうか?
そんなフォルランを冷遇したからと言って、今後のJリーグに大物選手が来なくなると言われても、そもそも6億円の年棒を用意しないと来ない選手を呼ぶ事もできないのでお門違い。
フォルランにJリーグに「来ていただいている」というような意識でプレーさせているようでは、日本がウルグアイを倒す日は絶対に来ないと自分から言ってるようなものなので、フォルランをベンチ外にする決断をした大熊裕司監督の姿勢はリスペクトされるべきだと思います。
また、”セレ女”というブームが起きてから1年半、すでに柿谷曜一郎が海外移籍し、ブラジルW杯でも日本代表が惨敗。セレッソも極度の不振でJ2降格へまっしぐらの状況で5分の1に減ったという”セレ女”ですが、1年半経ってもセレッソを応援し続けている彼女たちをセレ女というのは失礼ではないでしょうか?
すでに彼女たちは日本サッカー界にとって大事なサポーターと言えるので、今後”セレ女”という言葉は使わないようにしたいと思います。