Foot ball Drunker〔177〕visiting『BSFZ-Arena』マリア·エンツァースドルフ / オ-ストリア

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そんな事情を知っていると興味深い2017年4月5日のカップ戦準々決勝での対戦。スタンドの九割が空席。五万人規模のエルンスト·ハッペルに五千人の入場者数も仕方のないところ。
クリストフ·クナスミュルナー:Christoph Knasmullner【1992年4月30日】はアウストリア·ウィーンの下部組織で育ち2008年の夏バイエルン·ミュンヘンのU17に移籍した。2011-12シーズンはインテルのプリマヴェーラに、再びドイツに戻りインゴルシュタットから2014年に母国のアドミラへ。期待が大きかっただけに寂しい凱旋となった。
14節からの四試合連続得点で不動のスタメンに定着。ホイッスルが鳴り、試合が始まると切れ味鋭い動き。アウストリア相手に開始5分いきなり先制点を決めたのはクナスミュルナー。8分後の貴重な追加点をアシストも。その後反撃を一点に抑え、アドミラが四強進出の大番狂わせ。


◆◆◆◆◆《写真中央がクナスミュルナー》

正直この日のプレーだけを見れば四大リーグでも充分通用するだろうし、代表入りしてもおかしくないのではと思えるほど。
すると半年後主力の体調不良が重なった為、本当にマルセル·コラー:Marcel Koller【1960年11月11日生】代表監督からお声が掛かり、ワールド杯欧州予選セルビア戦を前に9番のウェアを渡されたのだから筆者の見る眼もあながち節穴ではなかったのか。
あのジャイアントキリングから七年半を経て、眩しい輝きは失せてしまった様子。昨年はポ-ランド四部でプレ-し今季も未だ無所属。


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エルンスト·ハッペルでフル出場したトーマス·エブナー:Tohomas Ebner【1992年2月22日生】もクナスミュルナーと同年齢。2018年から三シーズンをアウストリア·ウィーンで過ごした以外はアドミラ所属。出場試合数は現在265試合。五歳年長のホッファーと同じく2002年加入したアドミラのユ-ス·アカデミーからプロデビュ-まで純粋培養されたクラブの顔。開幕戦こそ黒星ながら昨日九節終了時点て首位をキ-プしており二年振りの一部昇格に向けて好調な滑り出しのチ-ムを支える。U16以来代表と縁は薄くても主将章を巻いて中盤の底で安定したパフォ-マンスを見ると対称的な二人のキヤリアが際立つ。


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最後の写真はウィーン最大の名所マリアテレジア広場でのセルフポ-ト。子沢山の王妃もすべての娘にマリアの名を授けた。
先日撮影したモデルさんから「サッカ-に詳しくなるにはどうすればよいですか?」と質問されたが、こればっかりは年数をかけて数多くの試合を観るしかないのではなかろうか。気の利いた回答が浮かばず申し訳なく思う。取り敢えず五大リ-グの特徴だけはワイングラス片手に説明だけした。年齢には逆らえず最近は老眼鏡が手離せない。それでもフットボ-ルを見る眼だけは曇ることなく今でも成長過程にある気がしてはいるのだが。[第177話了]


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🔲写真/テキスト:横澤悦孝 🔲モデル:花園ななせ